デービッド・サックス氏の記者会見後、ビットコインの下落が9万7000ドル以下まで拡大
  • ビットコインは4日終盤に売られ、9万7000ドルを下回った。
  • デービッド・サックス氏が主導した記者会見は規制に焦点を当てたもので、ビットコインの戦略的準備金については簡単かつ慎重な言及にとどまった。
  • 7日に予定される米雇用統計は、暗号資産市場の現在の弱気傾向を変える、あるいは強める可能性がある。

週末の関税引き上げによるパニックから回復したビットコイン(BTC)と暗号資産(仮想通貨)の上昇は短命に終わった。

4日のアメリカ取引時間終盤、ビットコインは過去24時間で4.8%下落し、9万6900ドル(約1502万円、1ドル155円換算)となった。わずか2時間前には10万1000ドルまで上昇していた。

アルトコインセクターの多くはさらに下落が激しく、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)は6%から10%下落した。イーサリアム(ETH)の下落は5.3%だった。

この日終盤の下落が始まったタイミングは、ホワイトハウスの暗号資産・AI担当者デービッド・サックス(David Sacks)氏が上院と下院の主要委員会のトップと共に行った暗号資産関連の記者会見と一致しているようだ。

記者会見が戦略的ビットコイン準備金の可能性に焦点を当てるのではないかという期待は裏切られ、議論はほぼ完全に規制問題とありふれた発言に終始した。

ビットコインは記者会見の最後に言及された。質問に答える形で、サックス氏は暗号資産に関するホワイトハウスのワーキンググループが戦略的ビットコイン準備金の実現可能性を検討していると述べた。前日の政府系ファンド創設に関する大統領令がビットコインにとって何を意味するかという質問に対しては、サックス氏は回答を避け、それは商務長官候補のハワード・ルトニック(Howard Lutnick)氏に対する質問だと述べた。ルトニック氏は、財務長官のスコット・ベセント(Scott Bessent)氏と共に政府系ファンドを主導する見通しだ。

現時点では、ビットコインは2日夕方に記録した9万2000ドルを下回る安値を再度試す準備をしているようだ。7日に発表される1月の米雇用統計は、強気または弱気の要因となる可能性がある。弱い数字が出れば、市場参加者が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを再び織り込む可能性があり、価格にとってはプラスとなるかもしれない。しかし、再び強い数字が出れば、投資家は年内のどこかの時点での利上げを織り込む可能性があり、他の要因がない限り、価格にとってはマイナス要因となるだろう。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Eva Blue/Unsplash
|原文:Bitcoin Extends Losses to Below $97K Following David Sacks Press Conference