
- 1インチネットワークはイーサリアムブロックチェーンのレイヤー2スケーリングソリューションであるZKsyncを統合し、より高速で安価なクロスチェーンスワップを提供する。
- ゼロ知識技術を基盤とするZKsyncは、イーサリアムブロックチェーンのメインネットワークと比較して低いガス代と高速な取引速度を提供しつつ、イーサリアムブロックチェーンのセキュリティを利用するものだ。
分散型取引所(DEX)アグリゲーターの1インチネットワーク(1inch Network)は、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2スケーリングソリューションであるZKsyncを統合し、クロスチェーンスワップ機能を拡張した。異なるネットワーク間で暗号資産(仮想通貨)を移動する際により高速で安価なトランザクション(取引)が可能になる。この発表のプレスリリースがCoinDeskに共有された。
今回の統合により、ユーザーはZKsyncを含むクロスチェーンスワップをシームレスに実行できるようになる。1インチは、昨年9月にベータ版としてリリースされた「Fusion+」技術を活用したこの機能が、すでに数百万ドル規模の取引高を実現していると述べた。
1インチの共同創設者であるセルゲイ・クンツ(Sergej Kunz)氏はCoinDeskに対し、「ブリッジレスで信頼が最小化されたクロスチェーンスワップが現在ZKsync Era上で利用可能でき、1インチは取引高とユーザーへの普及の顕著な増加を期待している」と述べた。
1インチのシステムは従来のブリッジに代わる選択肢を提供する。ネットワーク手数料はユーザー自身ではなく「リゾルバー」が負担する。リゾルバーはユーザーが可能な限り最良のレートを得られるよう互いに競争するもので、このステータスを得るためにはネイティブトークンである1インチ(1INCH)をステーキングする必要がある。
クンツ氏は、「より低い手数料、より速いファイナリティ、そして強化されたセキュリティは、経験豊富な分散型金融(DeFi)ユーザーと新規参入者の両方を引き付け、1インチエコシステム全体でより幅広い市場参加と流動性の成長を促進するはずだ」と述べた。
ゼロ知識技術を使用して構築されたレイヤー2スケーリングシステムの一種であるZKsyncは、イーサリアムブロックチェーンのメインネットワークと比較して大幅に低いガス代を提供しつつ、トランザクション速度を向上させる。こうした速度とコストの利点にもかかわらず、ZKsyncはイーサリアムブロックチェーンのセキュリティを利用している。
ZKsyncのロードマップによると、1秒あたり1万件のトランザクションを達成することを目指しており、将来的にトランザクション手数料を廃止できる可能性のある技術を研究している。
最近では、スイスの銀行大手UBSが金を裏付けとする自社の金融商品の一つでZKsyncの技術をテストしていると発表した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Jakub Żerdzicki/Unsplash
|原文:DEX Aggregator 1inch Integrates ZKsync to Boost Cross-Chain Swaps