
- バイナンス(Binance)のビットコイン(BTC)準備高は1月、ユーザー残高が44億ドル(約6700億円、1ドル=152円換算)増加したにもかかわらず、3億5500万ドル(約540億円)減少した。
- テザー(USDT)の準備高は、ユーザー残高が26億ドル増加したにもかかわらず、2500万ドル減少した。
- 全体として、バイナンスは報告書に記載された34の暗号資産(仮想通貨)を1600億ドル相当保有しており、そのすべてがユーザー残高に対して1対1以上の比率となっている。
暗号資産取引所バイナンスが最近公表した準備金データによると、同取引所のビットコイン準備高は先月、3億5500万ドル減少したが、顧客残高は40億ドル以上増加し、2つの数値はより近くなった。
取引高で最大の暗号資産取引所であるバイナンスは、年明けに第三者カストディと取引所残高合わせて62万2192BTCを保有していた。
2月1日、この数字は61万8563BTCに減少した。一方、顧客の純残高は57万5296BTCから61万5816BTCに増加し、担保率は108%から100%に低下した。
テザー(Tether)社が手がけるステーブルコインUSDTの準備高も減少し、顧客残高が26億ドル増加するなか、約2500万ドル減少した。
準備金の変化の理由は不明であり、バイナンスはCoinDeskからのコメントの求めに即座には応じていない。
バイナンスは、超過担保を持つ代わりに投資収益を得るために資金を再配分している可能性があり、バイナンスは健全な財務状態にある。
バイナンスは、報告書に記載されている34の暗号資産を現在の価格で1600億ドル相当保有しており、そのすべてがユーザー残高に対して1対1以上の比率で保有されている。
バイナンスは2022年11月のFTXの破綻を受けて、準備金証明を公開し始めた。FTXの破綻は流動性の低いアルトコインで構成されるバランスシートが脆弱であったことに起因しており、最終的には取引所がユーザーの引き出しに応じられないという、事実上の銀行取り付け騒ぎに至った。
FTXの破綻は業界全体に清算の連鎖を引き起こし、ビットコインはサイクル最安値の1万6463ドルまで下落した。その後、ビットコインは回復し、直近では9万7373ドルで取引されている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:バイナンスのリチャード・テンCEO(Binance)
|原文:Binance Bitcoin Reserves Slumped $355M in January as User Balances Rose by $4.4B