XRP、DOGEが10%急落──トランプ大統領の新たな関税が中国市場に打撃
  • ビットコイン(BTC)は7%下落し、11月以来初めて7万9000ドル近くまで下落した。1月に10万8000ドル以上の過去最高値を記録して以来、ほぼ30%の下落となった。
  • 2月26日に発表されたテクノロジー大手、エヌビディアの堅調な収益も、市場の先行き不安を相殺するには不十分だった。
  • オプション市場では、トレーダーの間では概ね弱気なムードが漂っている。

エックス・アール・ピー(XRP)とドージコイン(DOGE)は10%以上急落し、暗号資産(仮想通貨)の主要銘柄の中で損失を主導した。これは、アメリカが中国に新たな関税を課すことが確認されたことが2月28日にアジアの株式市場に打撃を与えたためで、暗号資産にとってすでに波乱の多い今週にさらに追い打ちをかけた。

ビットコイン(BTC)は7%下落し、11月以来初めて7万9000ドル近くまで値下がりした。1月のピーク時の10万8000ドル以上から30%近くの下落だ。イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)も同様の下落を見せ、少なくとも9%下落した。

暗号資産全体の時価総額は8%減の2兆7000億ドル(約405兆円)となり、11月初旬にドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカの大統領に選出されて以来のすべての進歩を覆す結果となった。より広範囲の暗号資産を追跡するCoinDesk 20 指数(CD20)は9%近く下落した。

26日にエヌビディア(Nvidia)が堅調な収益を上げたものの、世界的な株式市場が関税問題の再燃、景気減速、行き過ぎたポジショニングの組み合わせにより低迷したため、暗号資産市場にも当然ながら影響が波及したとトレーダーらは指摘する。

「年初来ベースでは、BTC以外のトークンや取引のセンチメントは、多数のミームコインの暴落により流動性が枯渇したことで非常に苦戦しており、BTCも先週記録的な高値をつけたETFの売り圧力にも屈した」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。

28日の暗号資産市場の損失は、トランプ大統領が中国からの輸入品に10%の新たな関税を課すと発表した後に低迷した中国株の損失を反映したものだった。これは、世界最大の経済大国であるアメリカと中国間の貿易戦争の拡大に対する懸念をさらに高めることになった。

この新たな関税は、今月初めに始まった中国製品に対する10%の既存の税金に追加されるものだ。これは、不動産危機と価格下落に直面している中国経済に打撃を与える可能性がある。また、ChatGPTのライバルであるDeepSeekが主導する中国のAIの進歩によって煽られた株式市場の上昇を止める可能性もある。

この動きは、来週から始まる中国の全国人民代表大会に先立って行われたもので、中国の指導者たちが経済計画と成長目標を共有することが期待されている。

中国が景気浮揚のために支出を増やすか、購買を奨励するかの決定は、ビットコインや暗号資産の価格に影響を与え、市場の触媒となる可能性がある。そのため、来週の重要なデータポイントとして注目すべきだろう。

しかし、それまでは一部のビットコイントレーダーの間では弱気なムードが続くと思われる。

「強気なオプションの投機家もタオルを投げ入れている。スポット価格の下落に伴いボラティリティが低下し、コールがプットに切り替わっている」とシグナルプラスのファン氏は述べた。

「最後に、株価が10%下落したストラテジー(Strategy)に対する懸念がBTCにさらなるリスク要素を加えている。転換社債による資金調達による買いが背景にあるため、多くのテクニカル指標において弱気なセンチメントが短期的に極端な水準に達している」。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP, DOGE Plunge 10% as Fresh Trump Tariffs Hit China Markets