
- 主要トークンへの弱気な賭けは、トレーダーの不意を突くトランプ大統領による戦略備蓄の発表によって、3月2日に6億ドル近くを失った。
- 日曜日は通常、流動性が比較的低い傾向にあるため、資産を動かすのに比較的少ない資金で済むため、価格が異常に高騰する。
- ADA、XRP、SOLを追跡する先物は、それぞれ7000万ドル以上の清算が記録され、2024年9月以来の高水準となったことが、Coinglassのデータから明らかになった。
主要トークンへの弱気な賭けは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が複数のトークンに対する戦略的備蓄を発表したことを受け、トレーダーが対応に追われた3月2日に、6億ドル(約900億円、1ドル=150円換算)近くを失った。
日曜日は通常、流動性が比較的低い傾向にあるので、資産を動かすのに比較的少ない資金で済む。そのため、価格が異常に跳ね上がることがある。カルダノ(ADA)は過去24時間で60%上昇し、エックス・アール・ピー(XRP)とソラナ(SOL)は25%上昇、ビットコイン(BTC)は9%上昇した。
BTCに連動する先物取引では、ロングとショートを合わせて3億4400万ドル(約516億円)以上の損失が発生し、市場の損失を主導した。続いて、イーサリアム(ETH)に連動する先物取引では1億7000万ドル(約255億円)の清算が行われた。
ADA、XRP、SOLに連動する先物取引では、それぞれ7000万ドル(約105億円)以上の清算が行われ、2024年9月以来の高水準となったことをCoinglassのデータが示している。

清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。
通常よりも多くの清算は、他の市場指標と併せて取引戦略に活用することができる。資産は過大評価されており、反転や利食いの機が熟していると見なされる可能性があり、注目すべき対照的なデータセットとなる。
そのため、トレーダーがさらなるボラティリティの継続を予想するにつれ、XRP、ADA、SOLの建玉(未決済の先物契約)は40%も上昇した。
ビットコインは、3月3日のアジア時間序盤に9万3000ドルを突破し、アメリカの関税や安全資産である円や金の上昇といったマクロ経済の逆風により8万3500ドルまで下落した先週の損失の大部分を回復した。
一部では、この最大の暗号資産(仮想通貨)が7万ドル台半ばまで下落し、空売りや建玉が増え、下振れ傾向がさらに強まると予想する声もあった。
しかし、トランプ大統領の発言により、少なくとも短期的には強気な見通しが復活した。ただし、計画がより具体化するまでは、トレーダーは継続的な上昇相場には依然として慎重な姿勢を崩していない。しかしそれでも、3月3日にCoinDeskが指摘したように、BTCが10万ドルの水準に達するとの見方が再び強まっている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Rally to $93K Sees Bears Lose $550M in Big Sunday Liquidations