トランプ大統領の暗号資産準備金発表で約10億円の利益を上げたトレーダー
  • あるトレーダーは、3月2日にドナルド・トランプ米大統領が戦略的暗号資産(仮想通貨)準備金に含まれるトークンを発表する前に、2億ドル(約300億円、1ドル=150円換算)のビットコイン(BTC)ロングポジションを建てた。
  • このポジションは清算の瀬戸際に立たされたが、発表後にビットコインは11%以上上昇した。
  • トレーダーはポジションを決済し、約680万ドル(約10億2000万円)の利益を上げた。

あるトレーダーは3月2日、分散型デリバティブプラットフォーム、ハイパーリキッド(Hyperliquid)で50倍のレバレッジを使ってビットコインの2億ドルのロングポジションを建て、ドナルド・トランプ米大統領が暗号資産準備金に含まれるトークンを発表して市場全体の上昇を引き起こした後、約680万ドルの利益を得た。

このトレーダーは400万ドル相当の担保を使って取引を行い、一時はあと50ドルのところで清算されるところだった。エントリーは8万5908ドルで、清算価格は8万4752ドルだった。

ソーシャルメディア・プラットフォーム、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)でトランプ氏が準備金に言及した後、ビットコインは8万5000ドルから9万7255ドルへと11%以上上昇した。しかし、カルダノ(ADA)とエックス・アール・ピー(XRP)はそれぞれ47%と18%上昇したことを考えると、トレーダーは選ぶコインを間違えたとも言えるかもしれない。

ハイパーリキッドでのトレーダーのポジション(Hyperliquid)

トランプ氏はXRP、ソラナ(SOL)、カルダノを準備金に含めると発表したことで、多くの人を驚かせた。暗号資産取引所のコインベースCEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏とビットワイズ(Bitwise)CEOのハンター・ホースリー(Hunter Horsely)氏は、米国の準備金にはビットコインしか含まれないと思っていたと述べ、リップル(Ripple)やカルダノの関係者はソーシャルメディアで祝杯をあげた。

このトレーダーがインサイダーで予備知識を得ていたのではないかと疑問視する懐疑的な見方もあるが、このポジションがヘッジだったのか、あるいはトランプ大統領就任から数週間の間に10万9000ドルから7万8000ドルもの低水準まで調整したことを受けて、ビットコインが底を打ったとこのトレーダーが考えていたのかは不明である。

このトレーダーはすでにロングポジションを決済し、約680万ドルの利益を得ている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:One Trader Made Millions Betting $200M on BTC Just Before Trump’s Crypto Reserve News