
- ビットコインのCME先物価格のギャップが埋められ、さらなる上昇の舞台が整った可能性がある。
- トランプ大統領が戦略的暗号資産準備を発表したことが要因となり、ビットコインは一時9万2000ドルまで急騰した。
- この急騰により、CMEビットコイン先物チャートに大きなギャップが生じたが、それが埋められたのは急激な動きの後の修正を示唆することが多い。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン(BTC)先物チャートで注目されていたギャップ(窓)は、記録的な上昇を見せた翌日には完全に埋まり、次の上昇の舞台が整った可能性がある。
ビットコインは3月3日に9万2000ドルまで急騰した。これは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が2日の日曜夜遅くに、ビットコインやイーサリアム(ETH)やエックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)を含む戦略的暗号資産準備計画を発表したことを受け、機関投資家の熱狂が再燃したことが要因だ。
しかし、この上昇により、CMEのビットコイン先物チャートには、2月28日金曜日の終値8万4500ドルと3日月曜日の始値9万5300ドルの間に大きなギャップが生じた。3月4日のアジア時間午後には、BTCが8万3500ドルまで下落し、その窓は完全に閉じられた。
CMEのギャップ(暗号資産の現物市場が24時間取引されているのに対し、この取引所が週末に閉鎖されることで生じる価格の格差)は、歴史的にビットコイン価格のマグネットとして作用する傾向がある。
データによると、これらのギャップのほとんどは最終的に埋まり、急激な動きの後に修正のシグナルとなることが多い。4日のギャップ埋めも、BTCが急激な上昇の後に均衡に戻ろうとする傾向を示す例だ。
一方、4日の価格変動により、過去24時間で暗号資産連動先物への強気な賭けが9億ドル(約1350億円、1ドル=150円換算)以上消え去り、3日間の損失は15億ドル(約2250億円)を超えた。

また、ビットコイン価格の上昇を予想した約4億ドル(約600億円)の賭けが、この24時間で清算された。その大半はアメリカ時間の夜遅く、アジア時間では早朝に発生しており、これはビットコイン価格が月曜日の上昇から反転したことによるものだ。
清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。
通常よりも多くの清算は、他の市場指標と併せて取引戦略に活用することができる。資産は過大評価されており、反転や利食いの機が熟していると見なされる可能性があり、注目すべき対照的なデータセットとなる。
ギャップが埋まり、大量の清算が行われた今、喜ぶ理由になるのだろうか。おそらく、そうではないだろう。
弱気相場におけるレンジの崩壊により、8万ドルを下回るCMEビットコイン先物チャートの新たなギャップが注目を集めている。このギャップは3カ月前に形成されたものだ。
このギャップは、11月初旬にトランプ氏が大統領に初当選した後にCME先物に生じたもので、価格は8万1000ドルを上回って始まった。これは、選挙当日の高値である7万7930ドルを1000ドル上回る水準だ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/TradingView
|原文:Bitcoin Drop to $84K Fills CME Futures Record Price Gap, Nearly $1B Bets Liquidated