AAVEが21%上昇──アーべDAOがトークン保有の価値を高める提案
  • アーべDAOは、AAVE保有者の価値を高めるための計画を提案した。
  • この提案には、利益分配、購入と分配プログラム、自己防衛システムが含まれている。
  • コミュニティからのフィードバックを受け付けており、今後数週間のうちに正式な提案が提示される予定だ。

貸出・借入プラットフォームをサポートする分散型自律組織であるアーべ(Aave)DAOは3月4日、ネイティブトークンのAAVEの価値を高め、ユーザーに報酬を与えるための詳細なステップを盛り込んだ大規模な計画を提案した。

AAVEは過去24時間で21%上昇し、より広範な市場で追跡されているCoinDesk 20指数(CD20)の3.5%の上昇を上回った。提案された変更が承認されれば、AAVEを保有する上での基本原則が変化する可能性がある。

いわゆる「Aavenomics update」は、当初2024年8月に承認された。アーべの現金準備高は2024年半ば以降、115%増の1億1500万ドル(約172億5000万円、1ドル=150円換算)に膨れ上がり、プラットフォームのステーブルコインのGHOは供給量が2億ドル(約300億円)に達し、好調な収益を報告している。

そして、アーべはこれらの一部をユーザーに還元したいと考えている。提案内容の重要なポイントは、システムをサポートするためにAAVEを担保に提供する人々への利益分配を増やすことだ。

次に、Anti-GHOという特別なトークンだ。これは取引はできないが、2つの方法で使用できる。GHOの負債を帳消しにするためにバーン(償却)する(無償でローンを返済するようなもの)か、追加報酬を得るためにステーキングされたGHO(StkGHO)に変えるかだ。Anti-GHOはGHOの収益の半分から得られる。GHOの年間収益は1200万ドル(約18億円)なので、Anti-GHOは600万ドル(約9億円)となる。

DAOは「買い戻しと分配」プログラムを提案しており、これは毎週100万ドル(約1億5000万円)を公開市場からAAVEを買い戻すことを目的としており、その価値を安定させ、ユーザーに長期的な報酬を与えることを目指している。買い戻しは直ちに開始でき、6カ月間で拡大する可能性があります。

技術面では、DAOは「アンブレラ」という自己防衛システムを提案しており、市場が暴落した場合にユーザーを損失から保護する。

「他の競合は本質的にユーザー保護を諦めているため、アーべは数十億ドルに上る不良債権からユーザーを保護できる唯一のプロトコルとなるだろう」と提案書には書かれている。「このユニークな利点により、アーべは特にオンチェーンのリスクを懸念する機関にとって、さらに魅力的なものとなるだろう」。

3月5日の朝現在、この提案に対するコミュニティからのフィードバックが公開されており、今後数週間のうちに正式なオンチェーン提案が提示される予定だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:AAVE Jumps 21% as Aave DAO Reveals its ‘Most Important’ Proposal