
- ビットコインは2月、他の資産に対するリスク調整後リターンの優位性を失った。
- 12カ月のスパンで見ると、ビットコインのトータルリターンは金とほぼ同水準。リスク調整後のパフォーマンスでは、ビットコインは株価指数に近づいている。
- 年初来では、貴金属がビットコインのパフォーマンスを上回っている。
調査サービスEcoinometricsのデータによると、ビットコイン(BTC)は2月に苦戦したことで、リスク調整後リターンが大幅に低下した。
過去1年間、ビットコインのトータルリターンは伝統的な安全資産である金と同程度だったが、リスクを調整すると、主要株価指数のような動きを見せている。
February hit risk assets hard. Bitcoin took an especially tough blow to its risk-adjusted returns advantage.
— ecoinometrics (@ecoinometrics) March 5, 2025
Looking at the 12-month picture through February, Bitcoin now matches gold in total returns but sits alongside stock indices in risk-adjusted performance. pic.twitter.com/x0vSFtAtli
リスク調整後リターンは、価格の変動に対する資産の収益性を測定する。この比率が高いほど、低いボラティリティで高いリターンを得られることを意味する。
貿易戦争の脅威、地政学的緊張の高まり、トランプ大統領が暗号資産(仮想通貨)に関する政府計画をめぐり混乱を招くなど、最近は激しい価格変動を繰り返してきたビットコインは、2025年に入ってから小幅に下落。一方、金は年初来で11%以上上昇している。
CoinDeskのアナリスト、ジェームズ・ヴァン・ストラテン(James Van Straten)氏は「ビットコインとゴールドは現在、まったく相関性がなく、5年間の20日移動平均ではマイナスだ」と述べたうえで、「相関関係がマイナスになるのは、通常ビットコインが底を打つときで、2023年初頭、2023年夏、2024年夏、そして現在に見られる。ビットコインは金に追いつく傾向がある」と付け加えた。

この変化は、リスクとリターンのバランスが取れた資産を優先することが多い機関投資家にとって、ビットコインの魅力に影響を与える可能性がある。ビットコインの「デジタルゴールド」としての長期的なナラティブは変わらないが、短期的なパフォーマンスは、安全資産というよりも株式のような動きをしている可能性を示唆している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin’s Risk-Adjusted Returns Took a Hit in February