
- ビットコインは9万2000ドルを上回り、他の主要な暗号通貨も上昇した。トレーダーは、3月7日に開催される史上初のホワイトハウス暗号資産サミットに期待している。
- トランプ大統領がトークンの戦略的備蓄計画を明らかにした後、暗号資産市場は12%上昇し、その後、アメリカの新たな関税によって反落するなど、ジェットコースターのような週となった。
- ビットコインの市場シェアは60%を超え、典型的な恐怖の兆候を示している一方で、イーサリアムのシェアは5年ぶりの低水準である9%まで落ち込んでおり、アルトコイン投資家にとって潜在的な問題の兆候を示している。
3月6日のアジア取引時間の午前中、ビットコインは9万2000ドルを上回り、主要な暗号通貨(仮想通貨)は5%上昇した。トレーダーは、3月7日に予定されている史上初のホワイトハウス暗号資産サミットで今後のポジショニングのヒントが得られることを期待している。
BTCは利益確定売りにより、欧州時間午前中に9万2700ドルから9万800ドルに下落した。ドージコイン(DOGE)は10%も急騰し、主要なコインの中で最も高い上昇率を記録した。カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)は6%上昇した。エックス・アール・ピー(XRP)とバイナンスコイン(BNB)は2.5%上昇と控えめな上昇にとどまり、CoinDesk 20 指数(CD20)の3.5%上昇を下回った。
今週、暗号資産市場がジェットコースターのような動きを見せた後、6日の価格変動は強気派を後押しした。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が2日の日曜日にXRP、ADA、ETHなどのトークンの戦略的備蓄計画を明らかにし、市場は12%上昇した。
しかし、トレーダーが具体的な計画を待ち、アメリカの新たな関税が発動されたことで、その高揚感は冷め、4日火曜日には幅広い市場が後退した。CoinDeskの分析によると、暗号資産市場は全体としては着実に上昇しており、トレーダーが土曜日のサミットで明確な計画が発表されることを期待していることを示している。
シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は5日のメッセージでサミットについて、「投資家はこれを高いリスクを伴う非対称的なイベントと見ている」と述べた。「予想外の触媒となり価格の高騰につながるのか、それとも暗号資産の脆弱性が露呈し、より深刻な売りにつながるのだろうか?」。
「視野を広くしてほしい。社債のスプレッドは拡大しており、現在、投資適格債とハイイールド債のスプレッドは200ベーシスポイントであるのに対し、ハイイールド債のスプレッドは米国債に対して290ベーシスポイントとなっている。これはパニックを示唆するものではないが、注意深く監視すべき傾向だ」とQCPは警告した。
FxProのチーフ市場アナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、暗号資産市場におけるビットコインのシェアが60%を超えていることは、「恐怖」の時期には典型的なことだと指摘した。一方、イーサリアムのシェアは5年ぶりの低水準である9%まで落ち込んでおり、これはアルトコイン投資家にとって厄介な兆候だ。なぜなら、あらゆる資金流入はBTCに向かうからだ。
「ビットコインは200日移動平均線と戯れ続けており、4日に8万3000ドルを下回る水準に達した直後に急上昇した。5日朝の市場のダイナミズムは、底値を形成しようとする慎重な試みを反映している」とクプツィケビッチ氏は電子メールでCoinDeskに語った。
「9万7000ドルの50日移動平均線を超えると、強気相場が成功したという指標になるだろう」と、同氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Surges to $92K, XRP Prices Muted as White House Crypto Summit Looms