ビットコイン、7万ドルまで下落する可能性──日本の国債利回りが17年ぶりの高水準に
  • 日本の20年物国債利回りは2008年以来の高水準に急騰し、潜在的なリスク回避を示唆している。
  • 日本の国債利回りの上昇と日銀による利上げの可能性により、ビットコインの大幅な調整が懸念されており、トレーダーらは今後数週間のビットコインの価格を7万ドルまで下げる可能性があると見ている。
  • 地政学的および経済的不確実性、継続中の貿易戦争、2025年の金利引き下げに対するFRBの慎重な姿勢は、ビットコインの価値の下落につながる可能性がある。

暗号資産(仮想通貨)の強気派は、日本の20年物国債利回りが2008年以来の高水準に急騰したことで、ビットコイン(BTC)などのリスク資産を敬遠する動きにつながる可能性があるため、動揺に備える必要があるかもしれない。

日本国債の利回りは、日銀による利上げ観測やインフレ圧力の高まりを背景に、先週2.265%まで上昇し、これは世界金融危機以来の高水準となった。

これは2024年8月と似た状況であり、当時CoinDeskが報じたように、円高を受けて世界的に株式からビットコインまでの売りが見られた。

地政学的および経済的不確実性と相まって、日本国債の利回りが急騰したことで、トレーダーの間ではビットコインが大幅な調整局面を迎えるのではないかという懸念が高まっている。利回りの上昇は、日本銀行がインフレ抑制や巨額の公的債務の管理のために金利を引き上げる可能性を示唆している。

日本の利回りの上昇は、しばしば世界経済のより広範な不確実性や金融情勢の引き締めを示唆する。これは円高につながり、投資家が円を借りてビットコインのような利回りの高い資産に投資するキャリートレードの魅力を減らす可能性がある。

そのため、トレーダーたちは、マクロ経済の不安、継続中の貿易戦争、アメリカ大統領選挙後の市場の一般的な触媒不足の中で、今後数週間のビットコインの価格を最低で7万ドルと予測している。

「地政学的および経済的不確実性により、機関投資家が暗号資産の保有を減らしていると考えられる。ビットコインは今後数週間のうちに7万ドルから8万ドル台まで下落する可能性が十分にある」と暗号資産取引所BTSEのでジェフ・メイ(Jeff Mei)COOはテレグラムのメッセージでCoinDeskにこのように述べた。

「この関税戦争が終わり、FRBが利下げを再開したときにのみ、主要な暗号資産は以前の最高値に向かって再び上昇トレンドに乗るだろう」とメイ氏は付け加えた。これは、アメリカの貿易政策と2025年の連邦準備制度理事会(FRB)の利下げに対する慎重な姿勢の影響への懸念が高まっていることを反映している。

また、シグナルプラス(SignalPlus)のンサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は、厳しいテクニカル的な見通しを示した。「価格の動きはテクニカル的に非常にネガティブになっている。実現ボラティリティの高さはBTCのリスク調整後のプロファイルを悪化させており、当面のポジティブな触媒はほとんどない」。

ファン氏のコメントは、日曜日のCoinDeskの分析と一致しており、ビットコインは200日単純移動平均(SMA)を試しており、終値がSMAを下回れば、強力な支持トレンドラインの重大な崩壊を意味する可能性があると指摘している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Traders Now Target $70K as Japan Bond Yields Surges to 17-Year Highs