
- イーサリアム(ETH)価格は3月10日、10%近く急落し、同トークンが重要な担保資産となっているDeFi市場を動揺させている。
- 1億3000万ドル(約191億円、1ドル=147円換算)相当のイーサリアムを担保とするSky(旧Maker)の大規模なDeFiローンは、借り手が追加担保としてさらに2000ETHを差し入れているにもかかわらず、現在清算の危機に瀕している。
- DefiLlamaによると、イーサリアム価格が20%下落すると清算対象となるDeFiプロトコルの資産は、約3億6600万ドル相当ある。
イーサリアムは3月10日、急落し、レンディングプラットフォームのSky上では大規模な分散型金融(DeFi)ローンが清算の危機に瀕している。
スカイのボルト(金庫)データダッシュボードによると、危険にさらされている借り手は、約1億3000万ドル相当の6万5680イーサリアムを担保として差し入れることで、7400万ドル相当のステーブルコイン、ダイ(DAI)を借り入れた。
暗号資産(仮想通貨)はすでに低迷していたが、イーサリアムは10日、10%近く急落し、1820ドルとなった。これは、1900ドルをわずかに上回る同ローンの清算レベルを下回るものであった。
Debankのブロックチェーンデータによると、この借り手は10日に暗号資産取引所のビットフィネックス(Bitfinex)から現在の価格で約400万ドル相当の2000イーサリアムを引き出し、その資産をSkyのボルトに預け入れ、ローンの担保を支えて清算を回避した。
預け入れ後、ローンの清算レベルはイーサリアム価格約1875ドルとなったが、これはイーサリアムの最新価格よりも高いままである。
イーサリアムの急落によって危機に瀕しているDeFiのローンは、他にもある。DefiLlamaのデータによると、清算レベルがイーサリアム価格1857ドルのローンは約1360万ドル相当あり、さらに1780ドルで清算されるローンが1億1700万ドル相当ある。イーサリアムがさらに20%下落した場合、3億6600万ドル相当のローンが清算される。
DeFiでの清算は、プロトコルが清算されたローンの担保を売却または競売にかけることで、売り圧力を悪化させるため、担保資産の価格に大きな影響を与える可能性がある。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Ether’s Freefall Below $1.9K Roils DeFi, Jeopardizes Crypto Loan Backed by $130M in ETH.