
- 最近の暗号資産(仮想通貨)市場の低迷により、トレーダーは強気予想を見直すようになり、暗号資産オプション取引所デリビット(Deribit)で最も人気のあるビットコイン(BTC)オプションは、12万ドルのコールから10万ドルのコールにシフトした。
- 現在、10万ドルコールの想定建玉は15億5000万ドル(約2300億円、1ドル=148円換算)であるのに対し、12万ドルコールの方は12億3000万ドルとなっている。
- 5月以降もコールオプションに有利な強気の価格設定が続いており、当記事執筆時点ではすべての未決済のコールのドル換算額は160億ドルを超えている。
最近の暗号資産市場の低迷により、デリビットでかつて最も人気のあった12万ドルのビットコインオプションは、10万ドルのコールに王座を奪われ、トレーダーが強気予想を見直していることを示唆している。
当記事執筆時点では、10万ドルコールはデリビットで最も人気のあるビットコインオプション契約で、15億5000万ドルの想定建玉を誇っている。想定建玉は、ある時点でアクティブなオプション契約のドル換算額を表す。
一方、先月まで一番人気だった12万ドルのコールは、13億3000万ドルの想定建玉で2位となった。
コールは、購入者に原資産を後日所定の価格で購入する権利を与えるが、義務ではない。コールの買い手は暗に、市場に強気であることを示唆している。したがって、10万ドルや12万ドルといった、権利行使価格の高いアウト・オブ・ザ・マネーのコールの建玉が大幅に積み上がるのは、強気な期待を反映している。

一番人気のコールの権利行使価格が10万ドルへ下落したことは、最近の8万ドル未満への価格暴落を受け、トレーダーがより保守的な投資を選択したことを示している可能性が高い。加えて、強気センチメントの幅広い見直しを示唆している可能性もある。
25デルタ・リスク・リバーサルは、権利行使価格のより高いコールのインプライド・ボラティリティ(需要)と権利行使価格のより低いプットのインプライド・ボラティリティの差を測定するもので、5月末の満期まで、プットオプションのプロテクト・オプションにネガティブな数値を示している。これは、市場の価格下落が継続するとの懸念を表している。

5月以降もコール・オプションに有利な強気の価格設定が続いている。そのうえ、当記事執筆時点で未決済のすべてのコールオプションのドル換算額は160億ドルを超えており、プット・オプションの83億5000万ドルの約2倍となっている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:デリビットでのBTCオプションの権利行使価格別の建玉(Deribit/Amberdata)
|原文:Bitcoin’s $100K Call Takes the Crown From $120K Bet as Most Popular Options Play on Deribit