ビットコインが8万2000ドルまで上昇──SECはXRP、DOGE、LTCのETF申請の判断を延期
  • ビットコインは7万8000ドルを下回った後、8万2000ドル近くまで回復し、イーサリアム、バイナンスコイン、XRP、カルダノなどの主要トークンもわずかに上昇した。
  • アメリカ証券取引委員会(SEC)は、XRP、ドージコイン、ライトコインに関する申請の決定を延期し、市場を不安定な状態に保っている。
  • シンシア・ルミス上院議員は、アメリカが戦略備蓄として100万BTCを取得することを提唱するビットコイン法案を再提出し、将来的に主要トークンがこのような備蓄に含まれる可能性があるという憶測を呼んでいる。

ビットコイン(BTC)は、3月9日に7万8000ドルを下回った後、8万2000ドル近くまで回復するという安堵のラリーを展開し、その他の主要トークンも小幅に上昇した。

イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)は3%上昇し、過去7日間の損失をいくらか軽減した。幅広いコインを対象とするCoinDesk 20 指数(CD20)は4%近く上昇した。

一方、アメリカ証券取引委員会(SEC)は、XRP、ドージコイン(DOGE)、ライトコイン(LTC)のETF(上場投資信託)申請に関する決定を先延ばしにしている。ブルームバーグのアナリストは以前、年末までにETFが承認される可能性について、ライトコインを90%、ドージコインを75%、XRPを65%と予測していたが、規制当局の躊躇により市場は不安定な状態が続いている。

トレーダーたちは、最終的に上昇する前に、7万4000ドルレベル、あるいはそれ以下まで下落する可能性を依然として視野に入れている。

「これまでは、同様の下落は買い手を引き寄せ、修正的な反落を完了させていた」と、FxProのチーフ市場アナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、電子メールでCoinDeskに語った。

「しかし、伝統的な金融会社の強力な影響により、暗号資産(仮想通貨)市場と株式のダイナミクスとのつながりが強まったため、このような結果になる可能性は、以前よりも低くなっている。7万ドルから7万4000ドルのエリアへの反落というシナリオが、依然として最も可能性が高いように見える。3月初めの調整と反発により、市場から短期的な売られ過ぎのスタンスが消えたため、この可能性はさらに高まっている」とクプツィケビッチ氏は付け加えた。

シンシア・ルミス(Cynthia Lummis)米上院議員がビットコイン法案を再提出し、アメリカが戦略的備蓄として100万BTCを買い上げることを推進したことで、ビットコインの価格が上昇した。ルミス氏が昨年初めて提出したこの法案は、政府が5年間にわたって100万ビットコインを購入することを指示するものだ。

準備銀行からの送金のうち、最初の60億ドル(約9000億円、1ドル=150円換算)は、準備金を積み立てるために、2025年から2029年の間に毎年確保される予定だ。

将来的に、このような準備金に主要トークンが含まれるという憶測もある。

「XRP、SOL、ADAなどのアルトコインは、暗号資産推進派のルミス上院議員が100万BTCを購入するための戦略的ビットコイン準備法案を再提出したことで、予想以上に上昇した。以前発表されたようにアルトコインが、その後、準備金に含まれるのではないかという憶測もある」と、LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクターであるニック・ラック(Nick Ruck)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Sees Relief Run to $82K; SEC Delays XRP, DOGE, LTC ETF Filings