仮想通貨のデリバティブ取引、シンガポールの認可取引所で実現か

シンガポールで事実上の中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)は、規制を受けたプラットフォーム上で、仮想通貨ベースのデリバティブ取引を程なく許可するかもしれない。

MASは2019年11月20日(現地時間)、証券先物法(SFA)の下でシンガポールの「認可を受けた取引所」における「ペイメント・トークン・デリバティブ」の上場と取引に許可を与えることを目指して、諮問書を公表した。

今回の提案は、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)等のペイメント・トークンに対しヘッジをできるように、規制を受けた商品を求める、世界の機関投資家の声に応えたものだ。

MASによればシンガポールには現在、アジア・パシフィック証券取引所(Asia Pacific Exchange)、ICEフューチャーズ・シンガポール(ICE Futures Singapore)、シンガポールデリバティブ取引所(Singapore Exchange Derivatives Trading)、シンガポール証券取引所(Singapore Exchange Securities Trading Limited)と、認可を受けた取引所が4つ存在する。

ビットコインやイーサなどのペイメント・トークンは現在、SFAの管轄下におけるデリバティブ商品の原資産としては分類されていない。しかしMASは、これらの資産を認可された取引所に上場するために、MASの管轄下に置くよう要請を受けてきたと述べた。

今回の動きは、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)の親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)がローンチしたビットコイン先物市場であるバックト(Bakkt)が、現物引き渡し決済ビットコイン先物商品をアジアにも拡大し、ICEフューチャーズ・シンガポールでも取引できるようにするという報道のわずか数日後に行われれた。

一方でMASは、そのようなペイメント・トークン・デリバティブは、価格のボラティリティが高く、「内在する価値はほとんど、または全く無い」ため、「大半の個人投資家には適していない」と述べた。

諮問書に対しては、関心ある者からのフィードバックを12月20日(現地時間)まで受け付けている。

翻訳:山口晶子
編集:Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Singapore Proposes Allowing Bitcoin, Ether Derivatives Trading on Approved Exchanges