GMO、世界最大なるか——仮想通貨マイニングを米で共同実施

テキサス州の大手アルミニウムメーカー、アルコア(Alcoa)の工場跡地で、巨大なビットコインマイニング施設を最近操業した仮想通貨マイニング専用コンピューターメーカー「ビットメイン(Bitmain)」に、「世界最大」のタイトルを争う競合が現れることとなる。

25メガワットから50メガワット、さらに最大で300メガワットまで拡大するビットメインのマイニング施設が小さく見えてしまうようなプロジェクトが、2019年11月に着工した。同プロジェクトは、300メガワットで始まり、2020年末には1ギガワットまで拡大する見込みだ。

ルイジアナ州にビットコインマイニング施設を所有し、オランダとスウェーデンでも同様の施設を建設中のデータセンター開発企業、ホインストーンUS(Whinstone US)は、日本のGMOインターネットと共同でロックデール(Rockdale)プロジェクトをまとめた。

そのホインストーンUSは2019年11月7日(現地時間)の着工開始から1週間後、ノルウェーにおいて再生可能資源でビットコインマイニング施設を運営するドイツのノーザン・ビットコイン(Northern Bitcoin)からの買収に同意している。

ノーザン・ビットコインの広報責任者によれば、ノーザン・ビットコインはホインストーンUSの株主向けに372万750の新株を発行するとのことだ。

ノーザン・ビットコイン(ETR:NB2)の株価は11月20日(現地時間)、42%上昇して23.60ユーロ(約2840円)、同社の評価額は約1億8000万ユーロ(約217億円)となった。

ホインストーンは11月1日(現地時間)、現地に雇用をもたらす、この鳴り物入りのプロジェクトを公表した際、データセンターの建設と準備に1億5000万ドル(約163億円)かかると推計している。

このマイニング施設は、2020年を通してフル稼働へと移行し、第1四半期には300メガワット、第4四半期には1ギガワットで稼働すると予定されている。

実は、競合する2つのマイニングプロジェクトは、同じ地主から土地を借りている。1950年代に3万3000エーカー強の土地を購入し、地元でサンドー・レイクス・ランチ(Sandow Lakes Ranch)として知られていたエリアを工業ハブへと変身させたアルミニウム大手のアルコアが所有する土地を双方ともに利用しているのだ。

ノーザンビットコインは、最初の顧客として2社の上場企業と契約を結んでおり、その2社が「ビットコインマイニング能力のかなりの部分を利用することになる」と述べたが、企業名を明かすことは避けた。

合併を発表する共同声明において、ホインストーンUSの共同創業者、アルーシュ・シライナタン(Aroosh Thillainathan)氏は、今回の合意が「国際的なマイニング業界の将来の方向性を形作る」可能性もある、と述べ、ノーザン・ビットコインのCEO、マティス・シュルツ(Mathis Schultz)氏は、合併が2018年創業の同社を計画よりも早く業界のトップへと押し出してくれると述べた。

ホインストーンは2019年7月に合併の提案を行ったが、頓挫している。これは、スウェーデンのデータセンター開発企業ハイドロ66ホールディングス(Hydro66 Holdings Corp.)が独自で資金調達を行い、合意から手を引いたことによる。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Chad Harris/Whinstone US
原文:1 Gigawatt Bitcoin Mine Under Construction in Texas Would Dwarf Bitmain’s