ガチホ勢はまだ「利益が出る」状態──ビットコイン、6カ月ぶりの安値だが

ビットコイン保有者の大半は、ビットコイン価格が6カ月ぶりの安値にも関わらず、まだ利益を出している。

54%はまだ利益が出る状態

ビットコイン価格は2019年11月22日、ヨーロッパの取引時間に6968ドル(約75万7000円)まで下落した。CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックス(Bitcoin Price Index)によると、ここ6カ月で最低の水準だ。現在、ビットコインは6月の1万3800ドル(約150万円)超えから48%下落した7100ドル(約77万円)付近で取引されている。

ブロックチェーン情報企業イントゥーザブロック(IntoTheBlock)よると、急激な下落にも関わらず、ビットコイン・アドレスの54%にあたる1531万アドレスはまだ「イン・ザ・マネー(in the money)」にある。

アドレスが「イン・ザ・マネー」とは、ビットコインの現在の価格がコイン獲得時またはコインがアドレスに送られた時の平均価格よりも高いことを言う。つまり、売却すれば利益が出ることを意味する。

データは、所有者の大半が現在の価格の7100ドルよりも低い価格でビットコインを手に入れたことを示している。

イントゥーザブロックのCTO、ジーザス・ロドリゲス(Jesus Rodriguez)氏が投稿したグラフをよく見ると、「イン・ザ・マネー」なアドレスの大半は、900〜4180ドル(約9万8000円〜45万4000円)の間でビットコインを獲得したことがわかる。かなりの数のアドレスが、平均4180〜6631ドル(約45万4000円〜72万円)の間でビットコインを手に入れたようだ。


「仮想通貨市場にとって損失の週

ビットコインの現在の価格で利益が出る所有者と、損失が出る所有者の割合の最新数字は以下

利益が出るアドレス
・ビットコイン 54%
・ビットコインキャッシュ 85%
・ビットコインSV 94%
・リンク 48%

損失が出るアドレス
・エイダ 87%
・ライトコイン 83%
・イーサリアム 87%
・バット 68%」

価格が1万ドルを超えたのは9カ月のみ

結局、ビットコインが1万ドル(約109万円)以上で取引された期間はこれまでに9カ月のみ。さらに、ビットコイン価格が6600ドル(約72万)を超えたのは、その誕生から8年経った2017年10月のことだ。

そのため、アドレスの大半が今でも、売却で利益を出すことができることは驚きではない。少数のアドレスは、ビットコインが4180〜6631ドルの間で取引されていた2018年の第4四半期または2019年の第1四半期にビットコインを手に入れた可能性もある。

グラフはさらに、103万のアドレスがビットコインを6631〜7354ドル(約72万〜80万)の間で獲得したことも示している。ビットコイン価格が7000ドル(約76万円)近くで推移している状態では、そのうちの何人かはすでに「アウト・オブ・マネー」、つまり現在売却すると損失を被ることになる。

急落が続けば、これらのアドレスはパニックを起こし、ビットコインの清算を図って、さらなる下落を招く可能性もある。

それでもビットコインは現在、キャピチュレーション(投資家が市場からすぐにでも撤退したいと考え、どんな利益も諦めてしまうような状態)からは程遠い。パニック売りは価格の下落をさらに悪化させる結果になり、下げ相場の最終段階と広く考えられている。

これは上述の通り、イン・ザ・マネーなアドレスの平均獲得コストが4100ドル(約45万円)を下回っているためだ。これらのアドレスは、この先数カ月で価格が4100ドルを下回れば、アット・ザ・マネー(獲得価格と現在価格が等しい状態)となり、ビットコインを売り始めるかもしれない。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:HODL statue image by CryptoGraffiti via CoinDesk archives
原文:HODLers Are ‘In the Money’ Despite Bitcoin’s Drop to Six-Month Lows