デジタル証券を発行後、株式上場する「ハイブリッドIPO」計画──ワールドチェス【STO+IPO】

世界チェス選手権を開催している企業ワールドチェスが、2020年にセキュリティトークンの発行を含む“ハイブリッドIPO”を計画していることが明らかになった。FTやCNBCなどが報じた。まずセキュリティトークン(ST、デジタル化された証券のこと)を発行した後、IPO(新規株式公開)を実施する。

英ロンドン証取の新興企業向け市場に上場を計画

IPOの前段階として、株式の約4〜6%をデジタル化し、アメリカとEU圏内の投資家に向けてセキュリティトークンを発行。アメリカのAlgorand(ALGO)のブロックチェーンを使用するという。

その後、イギリス・ロンドン証券取引所の新興企業向け市場「AIM(Alternative Investment Market )」に上場する計画。IPOが実現すれば、トークンは株式に転換できるほか、登録された投資家間で取引することも可能だという。

ワールドチェスのイリヤ・メレンゾンCEOはリリースで、この「ハイブリッドIPO」は、新しい技術が資金調達ラウンドで幅広く使われる先例になるなどと指摘。さらに「(このハイブリッドIPOは)先駆的な金融におけるイノベーションだと信じている。将来、多くの企業がこの仕組を使って資金調達するだろう」と述べている。

文・編集:濱田 優
写真:Shutterstock.com