ビットコイン、トランプ氏勝利以降で最も強い週間上昇率か──ETFは27億ドルの資金流入
  • ビットコインは今週11%上昇して9万5000ドルを超え、2024年11月以降で最も強い週間パフォーマンスとなる見込みだ。
  • 米国上場のビットコイン現物ETF(上場投資信託)は24日木曜日までに26.8億ドル(約3830億円、1ドル143円換算)の資金流入となった。これは2024年12月以来の最大規模。
  • 暗号資産レンディングを手がけるLednのCIOは、ビットコインは2025年末か2026年初頭までに13万ドルを超えると予測している。

ビットコイン(BTC)は25日も上昇トレンドを継続し、2024年11月のトランプ氏の大統領選勝利以降で最も強い週間パフォーマンスを記録する見込みだ。

ビットコインは米東部時間25日午後時点、9万5000ドル付近で推移し、24時間で1.8%上昇。イーサリアム(ETH)は2%上昇して、1800ドルをわずかに上回っている。スイ(SUI)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ヘデラ(HBAR)が、ベンチマークであるCoinDesk 20 Indexの上昇を牽引した。

〈4月25日時点のビットコインの価格推移:CoinDesk〉

本日の上昇は、関税問題の混乱のなかで4月初めの安値から回復する暗号資産市場の他にはないモメンタムを締めくくるものとなった。ビットコインは21日月曜日から11%超上昇し、2024年11月(トランプ氏が米大統領選で勝利し、暗号資産市場の上昇を後押しした時期)以来最大の週間上昇率を記録した。

ETF投資家の投資意欲も力強く回復している。米国上場のビットコイン現物ETFは今週、当記事執筆時点で26.8億ドルの流入を記録し、2024年12月以来最大の流入額となった(SoSoValueデータ、25日金曜日のデータはまだ発表されていない)。

ビットコインのデカップリング

ビットコインの米国株式や金に対する最近の相対的な強さは、ビットコインが伝統的なマクロ資産から乖離していることを示しているとCoinbase Institutionalのグローバル・リサーチ責任者、デビッド・ドゥオン(David Duong)氏は指摘している。

「市場の方向転換点をリアルタイムで目撃することはきわめて珍しい。通常は時間が経過した後、振り返ってみて初めて重大な体制転換を認識する」とドゥオン氏は25日のレポートで述べた。

「今週、ビットコインのパフォーマンスが伝統的なマクロ資産から乖離したことは、そうした瞬間が近いことを示しているのかもしれない」

「我々の見解では、この乖離はビットコインが価値の保存手段としての役割を成熟させていることを示している。機関投資家と個人投資家の双方から、リスク資産に影響を与えるマクロ経済要因に対して耐性がある資産としての認識が広がっている」と同氏はレポートに記した。

ドゥオン氏は、こうした主張はビットコインを企業の準備金として採用する企業が増えるなかで支持を広げていると指摘した。マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が率いるStrategy(ストラテジー)の戦略の成功を受けて、Tether(テザー)、Bitfinex(ビットフィネックス)、ソフトバンク、Cantor Fitzgerald(キャンターフィッツジェラルド)の関連会社は投資会社Twenty One Capital(トゥエンティ・ワン・キャピタル)を設立、4万2000ビットコインを保有する計画を発表した。

こうしたビットコイン購入の動きを受けて、ビットコイン現物市場の流動性は「大幅に減少している」と取引自動化プラットフォームCoinPanelのリードストラテジスト、キリル・クレトフ(Kirill Kretov)博士はテレグラムに投稿した。同社のブロックチェーン分析によると、2024年11月以降、取引所など、活発に取引するアドレスからビットコインの流動性の大部分が引き出されており、市場はボラティリティにさらされているという。

「市場は薄く、脆弱で、大口プレイヤーの影響を受けやすい状態」とクレトフ氏は述べた。

「10%の上下動が当面は当たり前となる可能性が高い」

新たな史上最高値への道のり

道のりは険しいかもしれないが、今週の上昇はビットコインの次なる上昇局面の初期段階であり、新たな史上最高値への道のりとなる可能性が高いと暗号資産レンディング企業Lednの最高投資責任者(CIO)ジョン・グローバー(John Glover)氏は述べた。

エリオット波動に基づく同氏の分析によると、ビットコインは複数年にわたる上昇相場の5つ目かつ最終の波に入ったという。

エリオット波動は、資産価格は投資家心理が牽引する予測可能なパターン、すなわち波で動くとする理論だ。通常、5つの波で展開され、1つ目、3つ目、5つ目の波が上昇局面(推進波)、2つ目と4つ目の波が調整局面(修正波)となる。

今月の安値7万5000ドルを再び試す可能性は排除できないが、グローバー氏はビットコインは2025年末か2026年初頭にサイクル高値まで上昇すると予測している。

「年末から来年初頭にかけて13万3000ドル〜13万6000ドルまでの上昇が続くと見ている」と同氏は述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Poised for Strongest Weekly Gain Since Trump Win as ETFs Gobble $2.7B Inflows