
- JPモルガン(JPMorgan)のアナリスト、ケネス・ワーシントン(Kenneth Worthington)氏は、市場センチメントが弱まる中、第1四半期のロビンフッド(Robinhood)の暗号資産(仮想通貨)取引収入が減少すると予測している。
- 暗号資産がJPモルガンの取引ベースの収益を急増させた2024年第4四半期とは対照的だ。
- ワーシントン氏は、年末の目標株価を45ドルから44ドルに引き下げる一方、「中立」の評価は維持した。
JPモルガンのアナリスト、ワーシントン氏によれば、オンライン取引プラットフォーム、ロビンフッドの2024年最終四半期における記録的な暗号資産取引収入は、再現するのは難しいかもしれない。ワーシントン氏は、 今年第1四半期のデジタル資産取引高の減少を予測している。
ロビンフッドは、4月30日の米国市場閉場後に第1四半期の決算を発表する予定だ。
第4四半期における暗号資産取引収益の700%という驚異的な急増は、ロビンフッドの取引ベースの収益全体の大幅な急増の背景にあった。しかし、ワーシントン氏は、特に第1四半期の後半に株式市場と暗号資産市場の両方が下落したことを理由に、その勢いが第1四半期には失速すると見ている。
ワーシントン氏とそのチームは、ロビンフッドのユーザーが第1四半期中に取引した暗号資産は約520億ドル(約7兆3800億円、1ドル=142円換算)で、第4四半期の710億ドルから減少したと推定している。
ワーシントン氏はこの落ち込みを、年初からの市場の上昇の大部分を帳消しにした「リスクオフ」環境によるものだとしている。ロビンフッドの預かり資産(AUC)は前期比5%減の1833億ドルになると予想されているが、それでも前年同期比では41%増である。
トランプ関税関連のニュースを受け、4月上旬のリテール買いが好調であったことが報告書では強調されているが、ワーシントン氏は、その活況は第1四半期の業績を押し上げるには十分ではない可能性を示唆している。
ワーシントン氏は、競合のインタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)でも見られる証拠金取引やデリバティブ取引の需要低迷が、ロビンフッドの業績全体の重荷になる可能性があると警告している。
ワーシントン氏はロビンフッド株の「中立」格付けを維持した一方で、目標株価を1ドル引き下げて44ドルとし、49ドル弱の現在価格から約10%の下落を示唆している。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Robinhood Crypto Revenue Expected to Fall in Q1 After Record Late 2024 Gain: JPMorgan