
- 暗号資産(仮想通貨)市場は4月29日、小幅に値上がりし、ビットコイン(BTC)は2カ月以上ぶりとなる9万6000ドル突破を目指した。
- 株価も上昇し、4月初旬の関税パニックからの回復を続けている。
- ビットワイズ(Bitwise)のジェフ・パーク(Jeff Park)氏は、「市場がいかに盲目的なのか、とても理解できない」と語った。
トランプ関税が経済に与える影響について悲観的な見方が広がっているにもかかわらず、暗号資産市場は4月29日も比較的平穏な一日を過ごした。
ビットコインは直近24時間で1%上昇。約9万5400ドルで取引され、2月後半以来初めて9万6000ドル突破が目前に迫っている。
CoinDesk 20 Index(ステーブルコイン、取引所コイン、ミームコインを除く時価総額上位20の暗号資産の指数)は1.1%上昇。中でもビットコインキャッシュ(BCH)は6.3%急騰し、他のコインを上回った。
暗号資産関連株は29日、コインベース(Coinbase)が0.9%、ストラテジー(Strategy)が3.3%上昇するなど、控えめなパフォーマンスを見せた。DeFi Development Corporation(旧:ジャノーバー)は、ソラナ(SOL)購入戦略の恩恵を受け続け、さらに16%上昇した。
株式市場も4月初旬の関税パニックからの回復を続け、S&P500とナスダックはそれぞれ0.55%上昇した。
ホワイトハウスが打ち出した関税政策により、米国の経済活動が減速していることを示唆する経済データが相次いで発表されたものの、市場のパフォーマンスはそれらのデータには影響されていないようだとの見方もある。
民間調査機関、全米産業審議会(Conference Board)の調査によると、消費者信頼感は2020年5月以来の低水準となり、消費者見通しは2011年以来の低水準となった。一方、JOLTS(米国雇用動態調査)によると、3月の求人数は予想の750万人に対し719万人に減少した。
関税に関する新たなニュースとして、ルトニック米商務長官は4月29日、国の指導者の批准が必要であるが、ある国と貿易合意に達したと発表した。
ラリーに迫る影
「市場がいかに盲目的なのか、とても理解できない」と、ビットワイズのアルファ戦略責任者、ジェフ・パーク氏はXに投稿した。
「ドル兵器化の結果、国際社会から米国の信用力が永久に損なわれるのであれば、FRBの利下げには何の意味もない」と、 トランプ関税の影響に対抗するため、FRBが利下げを余儀なくされるのではないかという最近の憶測についてパーク氏は述べ、次のように続けた。
「これがここで言うミスプライスである。私たちが知っているようなリスクフリーという概念が根底から覆されるのであれば、世界的に資本コストが上昇することを意味し、5月か6月にFRBが利下げに踏み切るかどうかという近視眼的な焦点はまったく意味を持たない」。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Best Backgrounds/Shutterstock
|原文:Bitcoin Edges Above $95K, U.S. Stocks Remain Strong as Analyst Warns of ‘Blind’ Market