ブラックロックのビットコインETF、発売以来で2番目の規模の流入を記録──1日で10億ドルに迫る
  • ブラックロックのIBITは28日に9億7090万ドルの流入を記録した。1日あたりの流入額としては過去2番目の規模だ。一方、フィデリティのFBTCやARKのARKBといった競合ETFは大幅な流出に見舞われた。
  • CMEビットコイン先物の建玉は、年率換算ベーシス利回りが約8%に上昇する中、4日連続で減少した。

ファーサイド(Farside)のデータによると、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)であるiシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)には9億7090万ドル(約1359億円、1ドル140円換算)の流入があり、2024年1月の発売以来で過去2番目の規模の純流入額を記録した。

競合ETFからは大規模な資金流出が発生しており、28日にアメリカのビットコインETF全体では5億9120万ドルの新規資金が流入した。フィデリティ(Fidelity)のFBTCは8690万ドル、ビットワイズ(Bitwise)のBITBは2110万ドル、ARKのARKBは2億2630万ドルの資金流出となった。

IBITへの流入増加は、ビットコインが過去1週間で7.2%上昇し、現在9万4900ドル(約1329万円)で取引される中で発生している。

4月22日以降、IBITは45億ドル(約6300億円)以上の純流入を記録しており、市場トレンドに逆行している。

業界専門家もこの動きに注目している。ETFストア(ETF Store)の社長、ネイト・ジェラチ(Nate Geraci)氏は、「本日、iシェアーズ・ビットコインETFに約10億ドルが流入した。2024年1月の発売以来で2番目に大きな流入額だ。『需要がなかった』時期を私は今でも覚えている」と述べた。

ブルームバーグ(Bloomberg)のシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、「ETFは一歩下がった後に二歩前進するモードにある。まさに我々が予測していたパターンだ」と述べた。

一方、デリバティブ市場ではCMEビットコイン先物の建玉が引き続き減少しており、CMEデータによると、4日連続の減少を経て現在は13万2750BTCとなっている。

Veloのデータによれば、年率換算ベーシス利回りが4月に約5%から9%に上昇する中、最近の建玉減少は終息に向かう可能性がある。ベーシス取引の収益性の回復は、取引の再開と建玉の短期的な回復を促す可能性がある。

典型的なベーシス取引では、投資家は価格差を固定するために現物ビットコインを購入し、ビットコイン先物のショートポジションを取る。利回りが高いと先物の需要が高まり、建玉が増加する。利回りが低下すると、この戦略を取るトレーダーは減少して建玉の減少につながり、市場におけるレバレッジの低下を示唆する。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:BlackRock’s IBIT Sees Second-Largest Bitcoin Inflow Since Launch, Nearing $1 Billion