
- リブレは、テレグラムの債務、約5億ドルをTONネットワーク上のブロックチェーンベースのテレグラム・ボンド・ファンドの形式でトークン化する。
- リブレはすでに、ブラックロック、ブレバン・ハワード、ハミルトン・レーン、レーザー・デジタルを含む主要な機関から出資されたファンドにおいて、2億ドルを超える資産をトークン化している。
リブレ(Libre)は、ヘッジファンドのブレバン・ハワード(Brevan Howard)や投資管理会社のハミルトン・レーン(Hamilton Lane)、野村證券グループのデジタル資産部門レーザー・デジタル(Laser Digital)などと密接に連携するトークン化企業で、テレグラム(Telegram)のメッセージングプラットフォームと連動するTON(The Open Network)ネットワーク上で、テレグラムの債務約5億ドル(約700億円、1ドル=140円換算)をトークン化した「テレグラム・ボンド・ファンド(TBF)」をブロックチェーンベースのファンドとして発行する計画だ。
TBFは、認定投資家に対して、テレグラムが発行した約23億5000万ドル(約3290億円)の未償還債券の一部へのエクスポージャーを機関投資家レベルの利回り商品として提供する。これらの商品は、TONネットワーク上のオンチェーン借り入れや製品開発の担保としても利用可能になるとリブレは説明している。
「我々が作成したのは、債券を取得し、そのファンドをトークン化する固定利回りファンドのようなものだ」と、リブレのアヴター・サーラ(Avtar Sehra)CEOはインタビューで述べた。「ファンドを購入すると、これらはTONチェーン上に存在し、裏付けとなる債券の収益にアクセスできる。この仕組みにより、債券を担保として使ったり、移転を容易にしたりといった金融商品としての実用性が生まれる」。
過去1、2年間、現実世界資産(RWA)のブロックチェーンベースの表現を作成する動きが急加速し、伝統的な金融世界が暗号資産(仮想通貨)と分散型金融(DeFi)の領域に急速に拡大している。
サーラ氏は、多くの顧客は迅速な現金化を求めてトークン化されたマネーマーケット商品を望むか、あるいは自らが関わるエコシステムと関連する何らかの商品を求めていると説明した。
TONネットワークは当初テレグラムによって開発され、その後、独立した運営を継続している。過去1年間ほど、TONはテレグラムの9億5000万人を超えるユーザーをブロックチェーン上に移行する取り組みに注力してきた。
リブレは、ブラックロック、ブレバン・ハワード、ハミルトン・レーン、レーザー・デジタルなど、主要な機関投資家から出資を受けたファンドを通じて、すでに2億ドル(約280億円)を超える資産をトークン化している。
「我々の目的は、トークン化すること自体にあるわけではない」とサーラ氏は述べている。「伝統的な金融商品をトークン化する真の価値は、それらの資産の利便性を解放することにある」
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:リブレのアヴター・サーラCEO(Libre)
|原文:Telegram’s TON Takes On Real World Assets With Libre’s $500M Tokenized Bond Fund