米時間序盤、スタグフレーション示唆の経済指標でビットコインと株に圧力
  • ビットコインは9万5000ドルを超えるまで上昇したが、予想を下回るアメリカの経済指標発表を受けて反落した。
  • 第1四半期のGDPはマイナスに転じており、関税逃げ切りを図る企業による輸入急増が原因とみられる。一方、物価は予想以上に上昇した。
  • 4月のADP雇用統計では、雇用者数の増加がわずか6万2000人で、2024年7月以来の低い伸びとなった。

1時間前までは市場にとって好調な日が続く兆しが見られたが、最新の経済指標によってスタグフレーションへの懸念が強まったことで、明らかにネガティブな展開となった。

まず第一に、4月のADP雇用統計の雇用者数だ。政府による4月の雇用統計発表の2日前に発表されたADP雇用統計によると、今月の民間部門の雇用増加はわずか6万2000人で、予想の10万8000人や3月の14万7000人を大きく下回った。これは2024年7月以来の最低水準だ。

次に、政府による第1四半期GDP(国内総生産)伸び率の速報値であり、予想のプラス0.2%に対し、マイナス0.3%となった。第1四半期は3月に終了したが、経済主体はいずれ導入される関税について十分認識していたため、年初に輸入を前倒しした。初級の経済学でわかることだが、輸入の増加は(輸出の増加が伴わない限り)GDP成長の足かせとなる。

実際、輸出入の不均衡は第1四半期のGDP伸び率を約5%押し下げた。トランプ政権のDOGEの取り組みも影響し、政府支出は2022年以来で初めてGDPの足かせとなっている。

インフレに関しては、GDP報告に組み込まれているコアPCE価格指数は、予想の3.1%上昇に対し、3.5%上昇した。

これらが重なってアメリカ株は大幅に下落し、ナスダックは2%、S&P500は1.5%下落した。ビットコイン(BTC)にも打撃を与えており、同様に約1%下落して9万4300ドル(約1320万円、1ドル140円換算)となった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Unsplash/mana5280
|原文:Stagflationary Data Puts Pressure on Bitcoin, Stocks Early in U.S. Day