リップル、マネーグラムへの約54億円の出資を完了──両社の狙いは?

決済スタートアップのリップル(Ripple)は、送金プラットフォーム「マネーグラム(MoneyGram)」の5000万ドル(約54億円)の株式取得を完了した。同社が11月25日(現地時間)に発表した。

SEC(米証券取引委員会)への提出書類によると、リップルは最終の支払いにおいてマネーグラムの株式を現在の株価の約3ドルよりも1ドル以上高い1株4.10ドルで2000万ドル(約21億8000万円)分取得した。今回の出資によって、2019年6月から始まった出資が完了した。

完了によって、リップルはマネーグラムの発行済み普通株の10%弱、そして「リップルが保有する議決権のない新株予約権を含む完全希薄化ベースで約15%」を保有していると提出書類は記した。

元々の合意では、リップルは当初3000万ドルを出資し、一方、マネーグラムはその見返りとして、リップルのプロダクトを国境を超えた決済に利用することに合意した。

提出書類によると、マネーグラムは手に入れた資金を運営を支えるために使う予定。特に仮想通貨リップル(XRP)が利用するリップルの「オンデマンド・リクイディティ(On-Demand Liquidity)」(以前の名称は「xラピッド(xRapid)」)の利用を拡大する。

マネーグラムは6月以降、ヨーロッパ、オーストラリア、フィリピンでトランザクションを実行するためにXRPを使い始め、また現在、メキシコ・ペソの外国為替取引高の約10%にも使われていると提出書類は記した。

マネーグラムの会長兼CEOアレックス・ホームズ(Alex Holmes)氏は声明で、今回のパートナーシップは「変革をもたらすもの」であり、同社はトランザクションを「数秒で」で決済することができると述べた。

「この最初の成功は、オンデマンド・リクイディティの利用拡大を加速させるよう我々を促している。成長をさらに新しいルートに進め、新しいプロダクトとサービスを追求できることを期待している」

リップルのCEOブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏は、リップルはマネーグラムのヨーロッパやオーストラリアの決済分野への「さらなる拡大」をサポートすると語った。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:CoinDesk archives
原文:Ripple Finalizes $50 Million MoneyGram Investment