
- クラーケンは第1四半期の収益が前年同期比19%増の4億7200万ドルだったと報告した。
- 同取引所はニンジャトレーダーの買収完了を発表し、伝統的資産のデリバティブ取引をクラーケンのプラットフォームに導入した。
- 同取引所は個人投資家と機関投資家の両方に向けた新商品をリリースし、四半期ごとに準備金証明を公表する計画だ。
暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は、2025年第1四半期の収益が4億7200万ドル(約684億円、1ドル145円換算)で、暗号資産(仮想通貨)市場の軟化にもかかわらず前年同期比19%増だったと報告した。調整後EBITDA(控除前利益)は1億8700万ドルで、前年同期比17%増だった。
プラットフォーム上の取引高は前年同期比29%増で、入金済み口座数は26%増加した。一方で、プラットフォーム上の資産は2%減の349億ドル(約5兆605億円)となった。クラーケンは、この減少はこれらの資産の価値下落によるものだと説明している。
しかし、この四半期の目玉は、クラーケンが個人向け先物・デリバティブ取引プラットフォームのニンジャトレーダー(NinjaTrader)の買収を完了させたことだった。
クラーケンはレポートで、「この取引は伝統的金融(TradFi)と暗号資産を組み合わせる取引としては史上最大になる。当社の事業拡大を超えて、この戦略的買収はTradFiサービスと暗号資産の両方においてデリバティブ取引における当社の地位を強化するものだ」と述べている。
この買収により、クラーケンは両方の資産クラスに一元的にアクセスしたいトレーダーにサービスを提供できるようになる。暗号資産トレーダーは伝統的資産の先物契約にアクセスでき、ニンジャトレーダーユーザーは暗号資産市場にアクセスできるようになる。
この動きは、マルチアセットプラットフォームになるというクラーケンの目標の実現に向けた前進だ。同四半期に、クラーケンは国際決済を可能にする機能「クラーケン・ペイ(Kraken Pay)」を立ち上げた。この機能は、マスターカードと提携した暗号資産デビットカードの導入によりさらに強化される見通しだ。
クラーケンはまた、3月31日時点で暗号資産カストディアンの準備金証明(Proof of Reserves)の確認を完了した。同社はマークルツリー証明を通じてユーザーがオンチェーン上で独立して資産を確認できるようにしており、こうした証明を四半期ごとに公開する計画だと述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Piggy Bank/Unsplash
|原文:Kraken’s Quarterly Revenue Jumps 19% to $472M in Q1, Trading Volume Rises by 29%