
- ETH/BTCチャートのボリンジャーバンドは2020年6月以来で最も狭くなっており、ボラティリティ急上昇の可能性を示唆している。
- 5月7日に予定されるイーサリアムブロックチェーンのペクトラアップグレードはスケーラビリティの向上を目的としており、市場活動に影響を与える可能性がある。
ボラティリティ急上昇から利益を得ようとする暗号資産(仮想通貨)トレーダーは、バイナンス(Binance)上場のイーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)比率に注意する必要がある。主要指標のボリンジャーバンドからは、ETH/BTCは間もなく大きく変動する可能性があることが読み取れる。
いわゆるボリンジャーバンドのスクイーズは、上下のバンドが価格付近で狭まる現象で、ボラティリティが低く、保ち合い局面にあることを示唆する。市場は通常スクイーズ中にエネルギーを蓄積し、最終的にはそれがどちらかの方向に解放されてボラティリティの爆発的な上昇につながる。
TradingViewのデータでは、ETH/BTCのチャートのボリンジャーバンドは現在、2020年6月以来で最も狭まった状態にある。
このスクイーズは、イーサリアム(ETH)のビットコイン(BTC)に対するボラティリティが間もなく上昇する可能性があることを示唆している。トレーダーは、価格が上下のバンドをどちらの方向にブレイクアウトするかを注視している。大きな動きはそれと同じ方向に発生することが多いからだ。

このボラティリティの強気シグナルは、イーサリアムブロックチェーンのアップグレード「ペクトラ(Pectra)」と同時期だ。ペクトラは、ブロックチェーンのスケーラビリティとバリデーターの運用を改善することを目的としており、市場の動きを刺激する可能性がある。
5月7日に迫っているこのアップグレードでは、バリデーターがステーキングできるイーサリアムの最大量が32ETHから2048ETHへと大幅に増加する。また、1ブロックあたりの「ブロブ(blob)」データユニット数も3から6に増加し、最大9まで使用できるようになる。さらに、このアップグレードにより、スマートコントラクトの効率化を目的とした新しい構造であるEVMオブジェクト・フォーマット(EOF: EVM Object Format)への移行が開始される。
分析会社ナンセン(Nansen)はCoinDeskに共有したレポートで、「レイヤー2ネットワークが最も恩恵を受けるだろう。ブロブ容量を倍増して呼び出しデータをより高価にすることで、ペクトラはロールアップデータ投稿のための規格としてのブロブの地位を確固たるものにする。これは、データ可用性レイヤーとしてのイーサリアムの役割を強固にし、ロールアップ中心のスケーリング戦略を強化するものだ」と述べた。
同社はまた、「DeFi(分散型金融)も活性化するだろう」と指摘し、NFTやブロックチェーンゲームもより幅広いこの改善から恩恵を受ける可能性があると述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:j4p4n/OpenClipArt
|原文:Ether-Bitcoin ‘Squeeze’ Hints at Imminent Volatility as Ethereum Pectra Upgrade Nears