
- イーサリアム開発者らは、7日に予定されている待望のアップグレード「ペクトラ」に向けて準備を進めている。このアップグレードは、2022年のアップグレード「マージ」以来で最大となるコード変更をイーサリアムブロックチェーンにもたらす予定だ。
- このアップグレードは、イーサリアムブロックチェーンをよりユーザーフレンドリーで効率的なものにすることに重点を置いている。
- ペクトラは11の主要なコード変更、いわゆる「イーサリアム改善提案(EIP)」で構成されており、このネットワークにおけるステーキング体験の向上、新しいウォレット機能の導入、ブロックチェーンの機能更新を行う予定だ。
イーサリアム開発者らは、7日に予定されている待望のアップグレード「ペクトラ(Pectra)」に向けて準備を進めている。このアップグレードは、2022年のアップグレード「マージ(Merge)」以来で最大となるコード変更をイーサリアムブロックチェーンにもたらす予定だ。
ペクトラ(プラハとエレクトラを組み合わせた造語)は、イーサリアムブロックチェーンのコンセンサスレイヤーと実行レイヤーで同時に行われる2つのアップグレードで構成される。
このアップグレードは、イーサリアムブロックチェーンをよりユーザーフレンドリーで効率的なものにすることに重点を置いている。ペクトラは11の主要なコード変更、いわゆる「イーサリアム改善提案(EIP)」で構成されており、このネットワークにおけるステーキング体験の向上、新しいウォレット機能の導入、そしてブロックチェーンの機能更新を行う予定だ。
ブロックチェーンに導入される主要な変更点の一つはEIP-7702。これは、ウォレットにスマートコントラクト機能を追加し、「アカウント抽象化」と呼ばれる技術トレンドに移行させるものだ。この変更により、ネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)以外の暗号資産でガス代を支払う機能など、ユーザーフレンドリーな機能をウォレットに追加できるようになる。
EIP-7251として知られるもう1つの主要な変更では、バリデーターのステーキング体験がより簡単なものになる。ペクトラの後、バリデーターはステーキングできるイーサリアムの最大量を32から2048に増やすことができる。つまり、複数のバリデーターに分散してステーキングしているユーザーはそれらを1つのノードの下に統合できるようになる。これにより、新しいノードを立ち上げる時間が短縮され、機器のセットアップの煩雑な経験が緩和されるはずだ。
ペクトラでの変更の一部は数年前から計画されていたが、開発者らは当初これを全て2024年にメインネットに導入することを目標にしていた。しかし、コード変更の複雑さから、ペクトラは2025年第1四半期まで延期された。最初の延期の後、開発者らは2つの異なるテストネットでアップグレードを2回テストしたが、両方のネットワークでバグが発生した。そのため、3回目のテストを実施する必要が生じ、アップグレードは再び延期された。
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の開発運用エンジニア、パリトシュ・ジャヤンティ(Parithosh Jayanthi)氏はX(旧Twitter)で、「ペクトラのフォークがまもなくイーサリアムメインネットに登場する!ノードのアップデートを忘れないように」と述べた。
イーサリアム価格は過去12カ月で42%近く下落している。一方、市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)は約1.5%下落した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Ethereum Preps for Biggest Code Change Since the Merge With Pectra Upgrade