コインベースの業績予想、リテール取引の不振で下方修正：ウォール街のアナリストらが警告

コインベース（Coinbase）は、リテール暗号資産（仮想通貨）取引活動の急激な鈍化により、ウォール街のコンセンサス業績予想を下回る可能性があると、一部のアナリストが述べた。
USDコイン（USDC）への関心とブロックチェーンステーキングからのサブスクリプション収入は好調なままで、取引収入の弱さを部分的に緩和すると予想されている。
機関投資家向け取引とステーブルコインがいくらかの支えとなったが、利ざやが圧迫されている可能性が高く、リテール動向は第2四半期に向けて脆弱なままであるとアナリストらは警告している。

暗号資産取引所コインベースは、不安定な状況で第1四半期決算報告を迎えている。ウォール街のアナリスト4人は、リテール取引の低迷がコインベースの最も収益性の高い事業を圧迫する可能性が高いとして、業績の悪化を予想している。

コインベースは、5月8日の株式市場取引終了後に第1四半期決算を報告する予定だ。 FactSetのデータによると、アナリストらは1株当たり利益（EPS）が第4四半期の2.26ドルから1.93ドルに、売上高が22億7000万ドル（約3300億円、1ドル＝144円換算）から21億ドルに減少すると予測している。

前年第1四半期のEPSは4.40ドル、売上高は12億ドルだった。取引高は、第4四半期の4390億ドルに対し、4038億ドル程度になると予想されている。

JPモルガン（JP Morgan）はEPS予想を1.59ドルに引き下げ、コインベースの取引高が10％減少し、第1四半期の暗号資産時価総額が17％減少したことを理由に挙げた。暗号資産の損失を調整したEPSは2.39ドルで、経費の抑制と安定したサブスクリプション収入が支えとなっているという。

バークレイズ（Barclays）とコンパス・ポイント（Compass Point）は、さらに深刻な問題があると見ている。バークレイズは、ステーブルコインの成長にもかかわらず、市場は1月以降急激に冷え込んでいるとして、売上高とEBITDA（利払前・税引前・減価償却前利益）の予測を下方修正した。また、リテール取引高の予想を690億ドルとし、ウォール街の平均予想である798億ドルを大幅に下回るとしている。

コンパス・ポイントはさらに弱気で、取引収入をコンセンサス予想を7％下回る12億4000万ドルと予想し、株の評価を「売り」に格下げした。コンパス・ポイントは、コインベースが分散型取引所（DEX）にリテールシェアを奪われていると主張し、第2四半期にさらなる痛みが生じると警告している。

人気の取引プラットフォームであるロビンフッド（Robinhood）は先週、今年最初の3カ月で市場が冷え込んだため、取引ベースの収益が第4四半期から13％減少したと報告した。