FRB、金利を据え置き──失業率上昇とインフレ率上昇のリスクが高まったと指摘
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)は5月7日、2日間の会合を終え、予想通り、政策金利を据え置いた。
  • FRBは、トランプ関税の影響に対処することを目指し、労働市場とインフレ上昇のリスクがそれぞれ高まったと述べた。
  • ビットコイン(BTC)は9万6600ドルで値上がりを維持した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月7日、大方の予想通り、FF金利のレンジを4.25%~4.50%に据え置き、金融緩和の一時停止を3会合連続で延長した。

「経済見通しの不確実性が一段と高まっている。FRBは、FRBのデュアルマンデート(雇用の最大化と物価の安定というFRBに課された2つの使命)の両面におけるリスクに注意を払っており、失業率の上昇とインフレ率の上昇のリスクが高まっていると判断している」と、FRBは声明文の中で述べた。

ビットコインは日中、9万7000ドルを割り込み、米中貿易協議を受けて6日後半に上昇した値上がり幅を縮小した。FRBの決定直後には9万6600ドルで取引されている。

FRBの決定は、トランプ政権が世界的な関税引き上げを進める中、政策立案者たちが危ういマクロ経済情勢を切り抜けようとする中で下された。

インフレ率は目標の2%を上回る水準にとどまり、関税が消費者物価にどのように反映されるのかという疑問があふれる中、経済は減速の兆しを見せている。

市場参加者らは、今年3回の利下げを予想しており、利下げに踏み切る最初の会合としては7月が最も可能性が高いと見ている。しかし、FRBメンバーは、方向転換する前に関税の影響がより明確になるのを待つとの姿勢をはっきりと表明している。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:FRBのパウエル議長(miss.cabul / Shutterstock.com)
|原文:Fed Holds Rates Steady, Says Risks of Higher Unemployment, Higher Inflation Have Risen