FRBが警戒するスタグフレーションリスク、ビットコインの強気材料となる可能性:アナリスト
  • BTCは7日のFRBの決定を受けて9万6000ドル超で取引され、過去24時間で1.6%上昇した一方、XRP、AVAX、UNIは小幅な下落を記録。
  • FRBの政策声明は、スタグフレーションと関連付けられることの多い状況である、インフレと失業のリスクの高まりを強調。
  • BTCはこのシナリオから恩恵を受ける可能性があると、グレイスケールのザック・パンドル氏は述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、スタグフレーションリスクへの警戒を強めている。これは、成長の鈍化とインフレ上昇が不安定に混在する状況で、政策担当者にとって課題となり得る。

ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、経済が「良好な状態」にあると主張し、政策転換に先立ちFRBは「様子見できる立場にある」と強調したが、同中央銀行の政策声明の微妙な変化は、経済の方向性に対する懸念の高まりを示唆している。

FRBは7日、政策金利を据え置き、インフレと失業率の上昇リスクが高まっていることを認めた。これは、1970年代のかなりの部分で発生したスタグフレーションの定義とほぼ一致する。このシナリオでは、インフレをさらに煽ることなく弱体化する経済を刺激するためのFRBの政策余地は、限られることになる。

「FRBはスタグフレーションを懸念している」とグレイスケール(Grayscale)の調査責任者、ザック・パンドル(Zach Pandl)氏はこの決定後にXに投稿した。「この結果は、ビットコイン(BTC)にとって良いものであると考えている」

パンドル氏は以前のレポートで、関税の引き上げはスタグフレーションの一因になると主張。スタグフレーションは歴史的に伝統的な資産に打撃を与える一方で、金のような希少な価値の保存手段には利益をもたらす。「ビットコインは過去のスタグフレーション時には存在しなかった」と同氏は記し、「だが、希少なデジタル商品とみなすことができ、現代の価値の保存手段としてますます認識されつつある」と付け加えた。

FRB発表後の市場の反応

FRBの発表とパウエル議長の発言を受けて、ビットコインは狭いレンジで取引された。米中貿易協議への楽観的な見方から、7日の早朝には一時9万7500ドルに達したが、その後9万6500ドルまで戻り、過去24時間で1.6%上昇した。

広範な暗号資産(仮想通貨)市場の指標であるCoinDesk 20 Index(CD20)は、エックス・アール・ピー(XRP)、アバランチ(AVAX)、ユニスワップ(UNI)、ニアプロトコル(NEAR)、アーベ(AAVE)の1~3%の下落に押され、同期間においてわずか0.3%の上昇となった。

一方、株式市場は一時の下落から緩やかに回復し、S&P500とナスダックはそれぞれ0.4%と0.3%上昇して取引を終了した。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Kateryna Hliznitsova/Unsplash
|原文:Fed Stagflation Risk Signal Could Be Bullish for Bitcoin, Analyst Says