ビットコインが3カ月ぶりに10万ドルを突破──上値目標は低すぎか?
  • ビットコイン(BTC)は、4月初旬のトランプ米大統領による関税発表を受けて7万5000ドル弱まで下落した後、再び10万ドル台を回復した。
  • 関税のニュースに対するパニックを経て、伝統的市場も暗号資産(仮想通貨)と並んで上昇している。
  • スタンダードチャータード(Standard Chartered)のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は、この最新の動きで重要なのはフローだと言う。

ビットコインは10万ドル台を回復し、ビットコインらしくまたもや多くの人の予測に反して、上昇を続けている。

これまでの値動きをおさらいすると、ビットコインはドナルド・トランプ氏の11月の米大統領選勝利を受けて急騰し、12月に初めて10万ドルを突破した。最終的には、1月20日のトランプ大統領就任式前の数時間に10万9000ドルを超えた。

強気派が上値目標を激しく上方修正したことで、亀裂が入り始めた。その後数週間は右肩下がりとなり、4月初旬にトランプ大統領が米国の貿易相手国に対する懲罰的関税を発表した後のパニックによって、7万5000ドル弱で底を打った。

多くのアルトコインの惨状ははるかにひどかった。例えば、ソラナ(SOL)とイーサリアム(ETH)は、ピークから底値までの下落率が60%を超えた。

しかしその後、価格は急速に反転し、伝統的市場も暗号資産と一緒になって関税ショックを乗り越えようとしている。ビットコインと同様、ナスダックとS&P500は現在、トランプ大統領の解放の日前よりも高い水準にある。

今回の10万ドル超への押し上げは、米英間の貿易協定成立のニュースを受けたものののようだ。

フローがすべて

「ビットコインの支配的なストーリーは再び変化した。今はフローがすべてだ。そして、フローは様々な形でもたらされている」と、スタンダードチャータード銀行のジェフ・ケンドリック氏は5月8日に語った。

ケンドリック氏は、最近ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金流入が急増していることに注目した。

これらのフローの多くは、ベーシストレード(ヘッジファンドがビットコイン先物をショートし、わずかな利回りを得る取引)によって相殺されるため、重要視されないこともある。

しかし、ケンドリック氏は、ベーシストレードの取引高は今回の資金流入の間、ほとんど増加しておらず、本当の資金がETFに移動していることを示唆していると主張した。

ビットコイン現物ETFの保有だけでなく、主要ビットコイン保有企業ストラテジー(Strategy)株の保有についても、「フォーム13F」によって機関投資家からの報告が1週間後から米証券取引委員会(SEC)に提出され始める予定であり、ケンドリック氏は、重要なプレーヤーがアロケーションを増やしていることがさらに確認されると予想している。

「第2四半期の目標額12万ドルは低すぎるかもしれないことをお詫びする」と、ケンドリック氏は締めくくった。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Tops $100K for First Time in 3 Months; Are Upside Targets Too Low?