ビットコインの第2四半期価格目標、12万ドルは控えめ過ぎる可能性: スタンダードチャータード
  • 英銀スタンダードチャータード(Standard Chartered)は、第2四半期のビットコイン価格目標である12万ドルは低すぎる可能性があると述べた。
  • ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への純資金流入額は、ヘッジファンドのベーシストレードを調整した場合、過去3週間で40億ドル(約5840億円、1ドル=146円換算)を超えたと同行は述べた。
  • アナリストのジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick )氏は、ストラテジー(Strategy)社が保有するビットコインは、将来的にビットコインの総供給量の6%以上まで増加する可能性があると指摘した。

スタンダードチャータードによると、投資フローが市場を牽引し、ビットコイン(BTC)は過去最高値を更新する勢いだ。

米国で取引されるビットコインETFには、過去3週間で53億ドルの資金が流入していると、スタンダードチャータードは5月8日、指摘した。スタンダードチャータードによると、ヘッジファンドのベーシストレードを調整すると、正味の実質フローは40億ドル以上と推定される。

ベーシストレードは、ビットコインのスポット価格と先物価格との差を利用する投資戦略である。

ストラテジー社は、2100万枚で上限が設定されている将来的な総供給量の2.6%にあたる55万5450枚までビットコインの保有量を増やした。同社はビットコインを買い増すために840億ドルの資金調達を計画しており、その保有量は総供給量の6%を超える可能性がある、とスタンダードチャータードのデジタル資産リサーチ責任者ジェフ・ケンドリック氏は述べている。

来週に米証券取引委員会(SEC)に提出される「フォーム13F」で、さらなる機関投資家への普及が明らかになるかもしれない、とスタンダードチャータードは述べた。

アブダビの政府系ファンドはすでにブラックロック(BlackRock)のビットコインETF(IBIT)を保有しており、スイス国立銀行とノルウェー銀行はストラテジー株のポジションを公開している。

ニューハンプシャー州は今週、米国初の戦略的ビットコイン準備法案を可決した。これは政策的な整合性の高まりを示すものである、とスタンダードチャータードの報告書は付け加えている。

こうした動きを踏まえると、第2四半期のビットコインの目標価格である12万ドルは控えめ過ぎるかもしれないと、スタンダードチャータードは以前の予測を引用して述べた。

スタンダードチャータードは年末のビットコイン目標価格を20万ドルとしている。

ビットコインは当記事執筆時点では、10万1000ドル前後で取引されている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin $120K Target for 2Q May Be Too Conservative: Standard Chartered