ジェミナイ、欧州経済領域でデリバティブを提供へ──マルタからMiFID IIライセンスを取得
  • ウィンクルボス兄弟が設立した暗号資産取引所ジェミナイは、マルタからMiFID IIライセンスを取得し、欧州経済領域(EEA)全域でデリバティブ商品を提供できるようになった。
  • 暗号資産取引所は、収益拡大を目指してデリバティブ取引への進出を模索している。

キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏が設立した暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)は、マルタからMiFID II(第2次金融商品市場指令)ライセンスを取得し、欧州経済領域(EEA)全域でデリバティブ商品を提供できるようになったと発表した。

マルタ金融サービス庁(MFSA)から取得したこのライセンスにより、ジェミナイは、必要な条件を満たせば欧州連合(EU)27カ国に加えてアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーでも永久先物やその他のデリバティブを提供できるようになる。同社が9日に述べた。

この声明ではどのような条件が課せられたかについては言及されておらず、ジェミナイは本記事公開時点までに詳細に関する問い合わせに応じていない。

暗号資産取引所は、収益成長の次のフロンティアとしてデリバティブ取引に進出している。最大級の暗号資産取引所の一つであるコインベース(Coinbase)は、9日にビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のオプション取引プラットフォームであるデリビット(Deribit)を29億ドル(約4205億円、1ドル145円換算)で買収することで合意したと発表した。ベンチマーク(Benchmark)のアナリストであるマーク・パーマー(Mark Palmer)氏は当時メモで、この買収により、コインベースはデリバティブ分野で即座に「支配的な足場」を築くと述べた。

欧州では、ジェミナイは競合であるクラーケン(Kraken)と同じ道を進んでいる。クラーケンはキプロスを拠点とする投資会社を買収することで2月にMiFIDライセンスを取得している。

ジェミナイは、「これは当社の2025年の欧州拡大における非常にエキサイティングな進展だ。EUおよびEEAの個人ユーザーと機関ユーザーの両方に対する当社のデリバティブ商品の提供に向けて一歩に近づいた」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
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|原文:Gemini Secures MiFID II License From Malta to Offer Derivatives in EEA