
- マラ・ホールディングス(MARA Holdings)の株価は、第1四半期決算が予想を下回ったものの、上昇した。アナリストらはコスト削減の取り組みを前向きにとらえている。
- マラは持続可能なエネルギー源の利用を拡大しており、電力コストの削減とマージンの改善が期待されている。
- アナリストらは、エネルギーコスト削減というマラの戦略を、競合他社との重要な差別化要因として強調している。
ビットコインマイナーであるマラ・ホールディングスの株は5月9日、第1四半期の決算がウォール街の予想を下回ったにも関わらず、競合を上回るパフォーマンスを見せた。
ジェフリーズ(Jefferies)のアナリストらは、ビットコイン(BTC)の価格が今年第2四半期に改善し、マラが太陽光発電やフレアガスなどのより持続可能なエネルギー源で動くデータセンターに注力していることから、電力コストは今後数四半期で低下し、マージンに貢献するはずだという。
「マラは114MWの風力発電所のインフラを拡張しており、25MWのマイクロフレアガスデータセンターへの通電も完了している。これらはどちらも、電力コストの削減につながるはずである」と、アナリストのジョナサン・ピーターソン(Jonathan Petersen)氏は述べた。
もしマラがこのような電力源の購入を続ければ、会社の収益性に貢献するだろうと、ピーターソン氏は指摘し、次のように続けた。
「電力資産の獲得の継続は、エネルギーコストをさらに削減し、マージンを拡大し、次の半減期に向けてより良い備えとなることが期待される」。
ピーターソン氏は、マラの目標株価を13ドルから16ドルに引き上げ、株の「保有」格付けを維持した。
かつては非常に収益性の高いビジネスであったビットコインマイニングは、前回の弱気相場でマージンが大幅に低下し、さらに半減期によってマイニング報酬が半減してからはさらに悪化している。さらに、マイニングにかかる電力コストの上昇がマージンを圧迫し続けている。
この圧迫により、ほとんどのマイナーは、人工知能(AI)や高性能コンピューティング(HPC)データセンターのホスティングなど、他の収益源に事業を多角化せざるを得なくなった。
マラは、AI分野にすぐに飛びつかず、取引収益サービス、マイニングプール、公開市場でのビットコイン購入、グリーンエネルギーによる電力コストの低減など、他の多角化手段に注力した数少ないマイナーの1社である。
最後の電力コスト削減という点が、市場の共感を呼んだようだ。
H.C.ウェインライト(H.C. Wainwright)のアナリスト、ケビン・デデ(Kevin Dede)氏は、これこそがマラと競合のマイナーを分けるものだとして、次のように述べた。
「昨夜のコメントでは、同社がエネルギーコストをゼロにすることを視野に入れ、中核事業である電力変換の技術開発に注力していることが明らかになった。急速に進化するHPCのビジネスチャンスに対応するために、マイニング事業を緩やかに、あるいは強引に移行しているマイニングの競合他社と、マラの戦略を区別するために、この点を強調したい」。
デデ氏は、「買い」の格付けと28ドルの目標株価を掲げているが、マラは持続可能なエネルギー源に集中することでコストを下げることができるという意見にも同意しているようだ。
「この点に関する我々の意見はさておき、マラが未使用の電力を利用したり、使用されている電力の効率を改善することによって機会を創出するという包括的な目標に同意する」と、デデ氏は述べた。
マラの株価は5月9日、9%も上昇したが、コインシェアーズ・バルキリー・ビットコイン・マイナーズETF(WGMI)は約0.3%下落している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:マラ・ホールディングスCEOのフレッド・ティール(Fred Thiel)氏(Bradley Keoun/CoinDesk)
|原文:Bitcoin Miner MARA Stock Surges Despite Earnings Miss as Analysts Applaud Cost Cutting