英HSBC、2兆円の資産にブロックチェーンを活用へ

英銀HSBCは2020年の初めに、ブロックチェーンに基づいたカストディプラットフォーム上で約200億ドル(約2兆1880億円)の資産を追跡する計画だ。2019年11月27日(現地時間)、ロイター(Reuters)が伝えた。

報道によればHSBCは、現在の紙ベースの記録を、2020年3月までにデジタル・ヴォールト(Digitl Vault)プラットフォームへと移行する予定で、投資家がリアルタイムで証券を追跡することが可能になる。HSBCは特に、私募の記録をデジタル化する予定で、投資家が素早く資産を確認することができるようになる。

記録は現在、紙ベースで保管されていると報じられており、現在の形でアクセスするのは「楽ではなく、時間がかかる」こともある。

HSBCがブロックチェーン上に移行するのは、全体の40%の記録に留まると報じられている。HSBCの保有資産は現在、500億ドル(約5兆4700億円)である。

ブロックチェーンプラットフォームの利用はコスト削減を目指してのものだが、ロイターによるとHSBCは「同行と顧客にとってどれほどのコスト削減につながるか数値化することはできない」という。

独立系コンサルタントのウィンザー・ホールデン(Windsor Holden)氏はロイターに対し、プラットフォームが展開された後も、2021年下半期までは削減されたコストが発表されることは見込めない、と述べた。

HSBCは、ブロックチェーンツールの実験を1年以上も続けている。1月には、ブロックチェーンプラットフォームを利用して約300万件の外国為替取引を行い、そのプロセスで約2500億ドル(約27兆3475億円)の取引を実行したと発表した。この合計数には、支払いでさらに15万件が含まれた。

HSBCは以前に、信用状をデジタル化するためにブロックチェーンを利用することも示唆している。

HSBCは、コメントの求めに即座には応じていない。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:DW labs Incorporated / Shutterstock
原文:HSBC to Track $20 Billion in Assets on a Blockchain Next Year