テザーの準備金を「この目で確認した」:キャンター・フィッツジェラルド会長【Consensus 2025】

米大手金融機関キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)のブランドン・ラトニック(Brandon Lutnick)会長は、同社とステーブルコイン発行大手テザー(Tether)社との関係がスタートした際、USDTの準備金を自ら確認したと「Consensus 2025」のステージで述べた。

ラトニック氏は、当時は「テザー社は、同社が主張する資産を保有していないのではないか」との多くの噂が飛び交っていたと語った。

実際、2019年にはニューヨーク州司法当局は、USDTの準備金が約10億ドル不足していると指摘。だがその後、当局は、テザー社とその兄弟会社の暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)との間でこの件について和解した。

「私はこの目でUSDTの準備金を確認した。そして噂の多くが間違っていることを確認した」とラトニック氏。キャンターは2021年から、USDTの裏付け資産の多くをカストディしている。

またテザー社は、少なくともニューヨーク州との和解以降、USDTは常に100%の裏付けられていると主張している。

ラトニック氏は2025年2月、父親で前CEOのハワード・ラトニック(Howard Lutnick)氏が米商務長官に就任したことを受けて、会長に就任。同社は投資銀行キャンター・フィッツジェラルドを傘下に持つ非上場の持ち株会社で、証券会社や商業不動産企業ニューマーク・グループ(Newmark Group)なども傘下に置く。

また、同氏は「2023年、スイス・ルガーノでテザー社のインターンをしていた」とのブルームバーグの報道を否定した。

「ブルームバーグの報道は事実ではない。しかし、テザー社の人たちから暗号資産について多くを学んだ──彼らによって、オレンジピルされた(ビットコインや暗号資産の考え方に目覚めさせられた)」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Cantor Fitzgerald Chairman Brandon Lutnick Says He Personally Checked Tether’s Reserves