EXPOウォレット、開幕1カ月で30万人が公式NFT取得・利用率は約11.5%──HashPortがデータ公開

「EXPO2025デジタルウォレット」を開発・提供するHashPortの代表取締役CEOである吉田世博氏は、大阪・関西万博の開幕から1カ月間における同ウォレットの利用状況に関するデータを自身のFacebookで公開した。

公開されたデータによると、万博開幕後1カ月間でEXPO2025デジタルウォレット内にWeb3ウォレットを設定し、公式SBT(Soulbound Token:譲渡不可のNFT)を取得したユニークユーザー数は30万1669人に達した。

これはデジタルウォレットアプリのインストール数ではなく、実際に公式SBTを取得したユーザーの数である。

同期間の万博総来場者数は約260万人であり、これに対するウォレット利用率は約11.5%となった。

公式SBTの発行総数は79万2581枚に上った。

ユーザーインタビューからは、公式SBTを取得することで得られる経験値(レベルに応じてパビリオン特別入場券などが提供される)が取得の主な動機となっているようだ。

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また、ウォレット利用者の公式SBT平均取得枚数は1人あたり2.6枚であった。特に、ウォレット内のミニアプリ機能「Connect Hub」(事業者がノーコードでSBTミニアプリを作成可能な機能)を利用したユーザーの平均取得枚数は6.3枚と、全体の平均と比較して2.4倍高い数値を示した。

吉田氏は、2025年10月までの開催期間全体で2820万人の来場が見込まれており、現在の利用率を基に試算すると約324万人の利用が見込まれるとしている。

同氏は「今後の施策でさらに改善予定」とも述べており、HashPortは利用率向上とエンゲージメント強化を目指し、経験値を獲得できる「EXPOまいにちクイズ」や決済に利用可能な「EXPOトークン」の導入、関連キャンペーンなどを既に開始している。

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|文:栃山直樹
|画像:HashPort吉田世博氏Facebookより