イーサリアムは8%急騰、ビットコインは一時10万7000ドルに迫る
  • ビットコインとイーサリアムは、広範なリスク回避ムードにもかかわらず大幅に上昇し、ビットコインは10万6000ドルを超えて上昇、イーサリアムは一時2900ドルを突破した。
  • 暗号資産市場の回復力は、ムーディーズのアメリカの信用格付け引き下げを受けて株式やゴールドが下落する中、対照的な動きを示した。
  • アーベのAAVEは、新たな発表ではなく投機的な需要に後押しされ、25%以上急騰した。

暗号資産市場は過去24時間で上昇を継続し、イーサリアム(ETH)が8%急騰し、ビットコイン(BTC)は10万7000ドルの節目付近まで一時的に回復した。これは、株式市場やゴールド(金)市場で広まるリスク回避ムードにもかかわらずの動向だ。

この堅調さは、ムーディーズ(Moody’s)が5月16日にアメリカを格下げしたことに反する動きだ。ムーディーズは、持続的な財政赤字と政治的混乱を理由に挙げた。しかし、株式が下落し、ゴールドが5月の高値からほぼ7%下落する中、ビットコインは値を保ち、18日の夜には一時10万7000ドルに向けて急騰する場面もあったが、その後、反落した。

「ムーディーズの格付け引き下げ後に株式市場でリスク回避ムードが広がる中、ビットコインが週末に上昇したことは、ビットコインが真の価値貯蔵手段としての地位を強化していることを示している」と、QCPキャピタル(QCP Capital)は19日の夜にテレグラムのブロードキャストで述べた。

同社は、デリバティブ市場でレバレッジを効かせたロングポジションの清算が見られたにもかかわらず、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への継続的な資金流入と機関投資家の需要を要因として挙げた。

イーサリアムは目立った値動きを示し、先週のブレイクアウトに続く強い動きで一時2900ドルを突破した。このトークンの最近の強さは、イーサリアムステーキングへの関心の高まりとペクトラアップグレード後のポジティブなセンチメントに起因しているが、19日に新たなヘッドライン要因は現れなかった。

ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)、ドージコイン(DOGE)は2~4%上昇し、広範なCoinDesk20指数(CD20)は過去24時間で約2%上昇した。

一方、アーベ(Aave)のAAVEは過去24時間で25%以上急騰したが、この動きは主に投機的なものだった。プロトコルレベルの発表やガバナンス提案は、急騰と直ちに結びつかなかった。このトークンは2021年の高値から60%以上下落したままとなっている。

トレーダーたちは、ビットコインとゴールドのような伝統的な「ハード資産」の連動性の低下に注目すべきだと指摘している。

「過去数カ月間、BTCとゴールドが同時に上昇したのに対し、ゴールド現物の下落の際には上昇しており、これはETFの資金流入にも反映されている」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はCoinDeskへのメッセージで述べた。

「ゴールドETFの資金流入は減少した一方、ビットコインETFはわずかに増え、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のゴールド先物とビットコイン先物でも同様のパターンが見られた。今後はこのようなミクロ相関の崩壊と相対価値の機会がさらに拡大する可能性を想定すべきだ」とファン氏は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Surges 8%, Bitcoin Nears $106K as Crypto Bulls Take Charge