
- ビットコインは10万5000ドル以上の価格を維持しており、アナリストは今後数日間での価格上昇の可能性を予測している。
- 先物取引の建玉残高は過去最高に達し、投機的な取引の増加とレバレッジポジションの拡大を示している。
- 短期的なインプライド・ボラティリティは低いものの、市場には蓄積の兆候が見られ、ビットコインが 30~45日以内に新たな高値に達する可能性がある。
ビットコイン(BTC)は過去最高値を目前に、10万7000ドル付近で推移しており、アナリストたちは今後数日間でさらに上昇すると見込んでいる。
主要取引所の先物建玉残高は、5月20日に米ドルベースで過去最高の750億ドル(約10兆8750億円、1ドル=145円換算)に達し、投機的な取引の活発化とレバレッジポジションの拡大を示している。

現物市場での継続的な上昇傾向が続く中、BTCは11日連続で10万ドルを上回っている。一部のトレーダーは、これは現在の水準での蓄積と強さの兆候だと指摘している。
「現在の価格動向は調整局面にあるように見える」とレンディングプラットフォームYouHodlerのチーフマーケット責任者、ルスラン・リエンカ(Ruslan Lienkha)氏はCoinDeskへのメールで述べた。「これは蓄積の兆候であり、新たな上昇局面を招き、新たな史上最高値を更新する可能性もある」。
5月20日朝の時点で、ビットコインは10万7500ドルを上回って取引されており、過去24時間でほぼ1.5%上昇した。イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)は2%上昇し、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)は3%上昇した。
デリバティブのデータも強気の見通しを後押ししている。コールとプットの建玉比率は週末に1.55に達した。同時に、アウト・オブ・ザ・マネーのコールのプレミアムが全体的に上昇し、これはトレーダーがブレイクアウトを想定したポジションを取っている兆候だと、HTXリサーチ(HTX Research)のクロエ・チェン(Chloe Zheng)はCoinDeskに共有した週末のレポートで述べた。
一方、短期のインプライド・ボラティリティ(IV)は18カ月ぶりの低水準である35〜40%まで低下し、ポジションの増加にもかかわらず比較的落ち着いた背景を反映しているとHTXは指摘している。
「この楽観的なセンチメントと低ボラティリティの組み合わせは、過剰なレバレッジの蓄積を隠す傾向がある」とHTXリサーチのレポートは述べている。「このような状況下では、ビットコインは30〜45日以内に新たな高値に再び挑戦する可能性がある」。
それでも、10万7000ドルの抵抗線は現時点では維持されている。FxProのチーフ市場アナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏はメールで、市場を牽引するのは「個人投資家の群れ」とマクロ経済の不確実性や最近の取引所のセキュリティ懸念に動じないモメンタムを追うトレーダーだと述べた。
「今後の動向は、グローバルなリスク許容度の変化に依存する」とクプツィケビッチ氏は記した。「10万7000ドルの抵抗線を突破すれば、上昇トレンド回復の可能性が高まる。そうすれば、11万5000ドルへの道が開けるだろう」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Futures Open Interest Zoom as BTC Inches Towards All-Time High; DOGE, ADA, XRP Add 4%