
- ビットコインは現物ETFへの投資増加を受け、日足ローソク足で過去最高の10万6830ドルで取引を終えた。
- アメリカを含む主要経済国の財政健全性に対する懸念は、BTCとゴールド(金)にとって強気の材料となっている。
- ビットコインの次の重要な価格水準は11万ドルで、市場の動向によっては価格変動が増幅される可能性がある。
ビットコイン(BTC)は24時間365日取引可能ですが、そのローソク足は外国為替市場と同様に毎日締切がある。TradingViewの最新データによると、5月20日(協定世界時)のローソク足はで10万6830ドルで取引を終え、過去最高の日次終値を記録した。
この上昇は、アメリカを含む主要経済国の財政健全性に対する懸念が高まる中、債券市場で価格動向が混乱し、投資家が現物ETF(上場投資信託)に資金を投入したことが背景にある。

アナリストは先週、CoinDeskに対し、悪化する財政状況がBTCやゴールド(金)などの資産に好影響を与える可能性があると述べた。
コインベース(Coinbase)のビットコインプレミアム指数(アメリカの顧客や多くの機関投資家に広く利用されているコインベースでの現物ビットコイン価格と、個人投資家の間で人気の高い取引高首位のオフショア取引所バイナンスでの価格との差を測定するもの)は引き続き、プラスを維持し、アメリカの投資家からの持続的な買い圧力を示している。
上昇トレンドが続く中、次なる注目すべき水準は11万ドルだ。アンバーデータ(Amberdata)が追跡するデリビット(Deribit)のBTCオプション市場データによると、ディーラーやマーケットメーカーは11万ドル水準で大きなネット「ネガティブガンマ」エクスポージャーを保有している。
ネガティブガンマを保有するディーラーは、全体の市場エクスポージャーデルタを中立に保つため、市場の方向に沿って取引(ヘッジ)を行う傾向がある。これが強気・弱気の動きを増幅させる作用を持つ。つまり、11万ドルの突破が実現すれば、上昇が加速する可能性がある。オプション市場は過去5年間で大幅に拡大し、ディーラーによるヘッジが市場のボラティリティを増大させてきた事例が複数ある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Sets Record Daily Close With $110K as the Next Level to Watch for BTC