ビットコインが11万1000ドルを突破──機関投資家の熱狂が新記録を後押し
  • ビットコインは機関投資家の投資を背景に、史上最高値の11万1878ドルを記録した。
  • 上場企業はビットコインを財務資産として活用する動きが加速しており、需要を後押ししている。
  • JPモルガンのビットコイン参入は、伝統的な金融業界の暗号資産に対する見方の変化を示している。

ビットコイン(BTC)は5月22日の早朝、初めて11万1000ドルを突破し、新たな史上最高値を記録した。これは、機関投資家からの資金流入が継続していることが背景にある。

CoinGeckoのデータによると、BTCはアジア取引時間の朝方に約3.5%上昇し11万1878ドルに達し、時価総額は1.7%増加した。エックス・アール・ピー(XRP)からドージコイン(DOGE)までの主要な暗号資産(仮想通貨)はほとんど動きを見せなかった。

需要は暗号資産専門ファンドや個人投資家だけからではない。上場企業がBTCを財務資産として扱うケースが増加しており、資本市場を活用して資金調達を行い、より多くのトークンを購入している。

「我々は、大規模な機関投資家がビットコインの急騰を牽引していると考える」と取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏はテレグラムのメッセージで述べた。「この傾向は継続する可能性が高く、特に企業が公開市場を活用し、ETFの流入が堅調なまま続く場合はそうだ。5月だけでETFの純需要は36億ドル(約5220億円、1ドル=145円換算)に達した」。

オプション取引業者も注目している。6月末に満期を迎える11万ドル、12万ドル、30万ドルの契約が襟ビット(Deribit)での最も多くの未決済建玉を占めており、トレーダーが夏が終わる前にさらなる上昇を想定したポジションを構築していることを示している。

長年の懐疑的な見方の後、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)は顧客にビットコインへのアクセスを提供すると報じられており、これは従来の金融機関が仮想通貨へのエクスポージャーを捉える方法に根本的な変化が起きていることを示唆している。

「アメリカ最大の銀行のこの決定は、ビットコインに新たな正当性を付与し、他の伝統的な金融機関が同様のサービスを提供して後れを取らないように促す可能性がある」と、ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフアナリスト、ライアン・リー(Ryan Lee)氏はCoinDeskへのメッセージで述べた。

マクロ経済の逆風、具体的には債券利回りの上昇、地政学的な緊張、アメリカの信用格付け引き下げにもかかわらず、ビットコインは「驚くべきレジリエンス」を示していると、QCPキャピタル(QCP Capital)は22日のリポートで述べた。

「新たな高値突破は、新たなFOMO(取り残される恐怖)の波を引き起こす可能性がある」と彼らは付け加え、「傍観していた個人投資家の資金を巻き込み、価格をさらに押し上げる可能性がある」と指摘した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Smashes Past $111K, Setting New Record Highs, on Institutional Fervor