
- ビットコインは米ドルに対して新たな記録を更新したが、ゴールド(金)やシルバー(銀)、その他の主要通貨と比較すると依然としてピーク時を下回っている。
- ビットコイン対ゴールドの比率は現在33.27オンスで、過去最高は40オンスを超えている。シルバーでは3300オンスで、過去最高は3530オンスだった。
- BTCは、英ポンドやスイスフランなどの主要法定通貨に対しては過去最高水準をわずかに下回っており、さらなる上昇余地があることを示している。
ビットコイン(BTC)は5月22日、ドル建てでの最高値を更新した。最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは11万1800ドルを超え、4月の安値近辺の7万5000ドルから驚異的な50%の上昇を記録したが、ゴールド(金)やシルバー(銀)などの伝統的な価値貯蔵手段と比べた場合、ビットコイン(しばしば「デジタルゴールド」と呼ばれる)にはまだ上昇余地がある。
ビットコイン対ゴールド比率は33.27オンスで、1月のピーク時に40オンスを超えた水準を下回っている。BTCはシルバーに対して3300オンスのレベルを突破したばかりで、最高値の3530オンスには届いていない。
「デジタルゴールド」という呼称は、ビットコインの固定供給量と分散型構造を反映しており、その名にますますふさわしい存在となっている。最近数週間では、4月の関税措置による下落から回復したものの年初来では依然として低迷する米国株式を上回るパフォーマンスを示している。
法定通貨との比較では、ビットコインはドル以外の通貨に対しても重要な心理的な節目に接近中だ。現在、英ポンド建てでは8万2500ポンド前後で取引されており、過去最高値の8万8300ポンドに迫っている。スイスフラン建てでは9万1500フランと、以前のピークである10万フランをわずかに下回る水準だ。これらの水準は、ビットコインがさらに勢いを増せば、近く突破する可能性がある。
注目すべきは、BTCがナスダック(Nasdaq)100やiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(iShares 20+ Year Treasury Bond ETF)などの主要金融商品に対して過去最高値を更新したことだ。債券とテクノロジー株の両方を上回るパフォーマンスは、より広範なトレンドを浮き彫りにしている。最後のフロンティアは貴金属だ。ゴールドやシルバーの基準値を突破すれば、貨幣の支配構造の完全な逆転が実現するだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:King Dollar Falls, Bitcoin Marches Toward Sound Money Highs