
- グラスノードの蓄積トレンドスコアが1.0のピークレベルに達し、クジラから小規模保有者まで、幅広い層で積極的な買いが入っていることを示している。
- この買いは、1月の史上最高値以降、数カ月続いた売り傾向を逆転させるものだ。
- オプション市場は強気なセンチメントを示しており、6月の行使価格30万ドルが最も人気のあるコールとなり、20万ドルがそれに続いている。これは、トレーダーが継続的なブレイクアウトを見込んでポジションを構築していることを示唆している。
ビットコイン(BTC)は、1月以来初めて、クジラから小規模保有者まで、すべてのウォレットコホートで強い蓄積フェーズに突入し、この暗号資産(仮想通貨)が11万ドルを上回る水準で取引され、過去1カ月間で18%の上昇を記録したことで、新たな強気ムードを示している。
グラスノード(Glassnode)の蓄積トレンドスコアは最大値の1.0に達し、保有するビットコインの量に関わらず、投資家が広範かつ積極的に蓄積を進めていることを示している。この指標は、既存の保有量と過去15日間の獲得量の両方を考慮し、ウォレットサイズごとの購入の相対的な強さを評価する。歪みを避けるため、取引所とマイナーは除外されている。
最新の蓄積の波は5月初旬に始まり、1万BTC以上を保有するクジラが先導した。価格が上昇し始めると、保有量が少ないコホートも追随し、買い増しの動きを活発化させた。これは、ビットコインが当時の最高値である10万9000ドルから最安値の約7万5000ドルまで下落したために、ほとんどのグループが保有量を減らしていた1月から4月の間とは大きな違いを示している。

この需要の回復はオプション市場の動きによって支えられており、CoinDesk Researchは大規模な強気ポジションを指摘している。6月満期の権利行使価格30万ドルのコールオプションは、6億2000万ドル(約899億円、1ドル=145円換算)の想定元本で最も人気のあるオプションとなっており、さらに4億2000万ドル(約609億円)が行使価格20万ドル付近に集中している。

ビットコインは歴史的に、過去最高値を更新した後、利益確定売りの影響で下落する傾向があるのに対し、S&P500やゴールド(金)などの伝統的な資産は、同様のシナリオでも上昇トレンドを継続する傾向がある。もしビットコインが、このようなより成熟した資産の動きに従うとすれば、それは持続的な強気相場の始まりを示唆する可能性があり、現在市場の多くの関係者がこの傾向を注意深く見守っている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Enters Strongest Accumulation Phase Since January as BTC Price Passes $110K