
- モネロ(XMR)は時価総額75億ドルを超え、ライトコインとトンコインを上回り、トップ25の暗号資産の一つになった。
- モネロのプライバシー保護機能は犯罪者に好まれ、イスラム過激派組織の「イスラム国」と関連のあるグループによる資金調達に利用されているとの報告がある。
- この暗号資産の価格は今年、2倍以上に上昇している。
モネロ(XMR)は、ライトコイン(LTC)とトンコイン(TON)を抜き、時価総額でトップ25の暗号資産(仮想通貨)の一つになった。
いわゆる「フリップニング(flippening:時価総額ランキングで、ある通貨が他の通貨を追い抜く現象)」は、Coingeckoのデータによると、XMRの時価総額が75億ドル(約1兆500億円、1ドル=140円換算)を超え、TONの74億8000万ドル(約1兆472億円)とLTCの73億5000万ドル(約1兆290億円)を追い抜いたことで特徴付けられている。

XMRは、取引の詳細を隠蔽するプライバシー強化技術を備えた分散型ピアツーピア暗号資産だ。これにより、従来の金融追跡や傍受手法がほぼ無効化され、犯罪者がこの暗号資産を好む理由の一つとなっている。
今年初頭、イスラム過激派組織の「イスラム国(ISIS)パキスタン州」と関連するメディアが、 「財力でジハードに参加せよ」と訴えるポスターを公表し、XMRでの寄付を呼びかけたと報じられた。
それでも、この議論の的になっているコインの価格は今年100%以上上昇し、400ドルを超え、2021年初頭以来の水準に達した。CoinDeskのデータによると、この急騰は、プライバシー機能の向上に関する楽観的な見方や、上場企業である取引所コインベース(Coinbase)を含む主要取引所での再上場の噂が背景にあるとされている。
一方、ビットコインが「ゴールド(金)」に例えられるのに対して、「シルバー(銀)」と称されるLTCは今年6%下落し、100ドルを下回っている。テレグラムのエコシステムに深く組み込まれたTONは、今年25%下落している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Monero’s Market Cap Flips Litecoin and Toncoin as XMR Enters Top 25 Tokens