ウォール街大手キャンター、ビットコイン担保融資事業を開始
  • ウォール街の投資銀行キャンターフィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)がビットコイン担保融資事業を開始した。
  • キャンターの融資を利用する最初の企業は、18億ドル規模のデジタル資産レンディングプラットフォームを運営するメープル・ファイナンス(Maple Finance)と、デジタル資産プライムブローカーのファルコンX(FalconX)となる。
  • キャンターの新事業はまず、20億ドルの融資を予定しており、多様な資金源を提供し流動性を高めることで機関投資家を支援することを目的としている。

ウォール街の投資銀行キャンターフィッツジェラルドは5月27日、20億ドル(約2880億円、1ドル=144円換算)の融資プログラムの一環であるビットコイン担保融資事業の最初の取引を実行したと発表した。

この事業から融資を受ける最初の企業は、18億ドル以上の資産をプラットフォームに抱える暗号資産レンディング企業のメープル・ファイナンスと、デジタル資産プライムブローカーのファルコンXとなる。

キャンターは昨年7月、ビットコイン投資家の資金調達ニーズをサポートするプラットフォームを構築したいとし、この事業を立ち上げる計画を発表した。

「ビットコインを保有する機関投資家は、多様な資金調達源へのアクセスを拡大することを求めており、我々は彼らの流動性ニーズをサポートすることで、長期的な成長と成功を支援できることを嬉しく思う」と、キャンターの共同CEO兼債券グローバル責任者であるクリスチャン・ウォール(Christian Wall)氏は述べた。

キャンターはまた、ステーブルコインの発行元であるテザー(Tether)社が保有し、時価総額1420億ドルのUSDTステーブルコインの価値を支える米国債も管理している。

キャンターの前CEOであるハワード・ルトニック(Howard Lutnick)氏は現在、米商務長官を務めており、ビットコインを伝統的金融に統合することを公に支持している。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Consensus 2025に出席したキャンターのブランドン・ルトニック(Brandon Lutnick)会長(CoinDesk)
|原文:Wall Street Giant Cantor Debuts Bitcoin Lending Business With First Tranches to FalconX, Maple