XRP現物ETFが実現に一歩近づく──米SECが審査を開始
  • アメリカ証券取引委員会(SEC)は、XRPへのエクスポージャーを提供しつつ、トークンを直接保有する必要がない現物ETF、ウィズダムツリーXRPトラストの審査を開始した。
  • これは、アメリカで上場を予定するXRP現物ETFに対するSECによる初の審査で、同様の暗号資産商品の道を開く可能性がある。
  • SECは、市場操作と投資家保護に関する懸念について一般からの意見を求めつつ、240日以内に申請について判断を下す予定だ。

アメリカ証券取引委員会(SEC)は、投資家にエックス・アール・ピー(XRP)へのエクスポージャーを提供する現物ETF(上場投資信託)であるウィズダムツリーXRPトラスト(WisdomTree XRP Trust)の審査を正式に開始した。

シーボーBZX取引所(Cboe BZX Exchange)によって提出されたこの申請は、アメリカでのXRP現物ETFに対するSECによる初の正式な審査となる。承認されれば、アメリカで初のXRP現物ETFとなり、他の暗号資産(仮想通貨)においても同様の商品が登場する可能性を切り開く、画期的な出来事だ。

この商品は、CME CF Ripple-米ドル参考レート(CME CF Ripple-Dollar Reference Rate)を介してXRPの市場価格に連動する。これにより、投資家は秘密鍵や自己管理を必要とせず、従来の証券口座を通じてXRPへのエクスポージャーを得ることができる。

SECはリリースNo.34-103124に基づき、この申請のより詳細な審査を開始することを通知した。SECは、申請を承認または却下するまで最大240日間の猶予期間がある。

一方、SECは、ETFの設計が市場操作と投資家保護に関する懸念に適切に対処しているかどうかについて、パブリックコメントを募集する。

一方、リップル(Ripple)の最高法務責任者であるスチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏は、今週、SECの暗号資産タスクフォースに提出した書簡の中で、XRPはそれ自体が証券として扱われるべきではないと改めて強調した。

「ルールは発行者だけでなく、証券取引所、証券会社、ディーラー、発行者として無意識のうちに分類される可能性のあるすべての市場参加者にとって明確でなければならない」とアルデロティ氏は記し、さらに「完全に機能する(fully functional)」や「分散型(decentralized)」といった曖昧な用語に過度に依存すると、規制の明確化よりも混乱を招くことになると付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:リップルのブラッド・ガーリングハウスCEO(Parikshit Mishra/CoinDesk)
|原文:XRP Spot ETF in the U.S. Moves Closer to Reality