ブラックロック、サークルのIPOで10%の株式取得を検討:ブルームバーグ
  • ブルームバーグの報道によると、ブラックロック(BlackRock)は、サークル(Circile)のIPOで10%の株式を購入する検討を進めている。
  • サークルは5月27日、IPOの申請書類を提出し、同社と株主で合わせて2400万株を提供する。
  • ARKインベスト(ARK Invest)は、このIPOで1億5000万ドル相当の株式を購入する意向を示している。

世界最大級の資産運用会社ブラックロックは、サークル社の新規株式公開(IPO)で提供される株式の約10%を取得することを検討していると、ブルームバーグが5月28日、事情に詳しい関係者の話として報じた。

27日に公開されたIPOの申請書類では、2400万株のクラスA株式を提供する計画が示されており、そのうち960万株はサークル社が、1440万株は既存の株主が提供する。

サークル社の申請書類によると、キャシー・ウッド(Cathie Wood)氏率いるARKインベストは、IPO株式を最大1億5000万ドル(約220億円、1ドル=145円換算)分購入する意向を示している。株式の価格は24ドル~26ドルの間で設定される見込みで、ティッカーシンボル「CRCL」で取引される予定だ。

ブラックロックが株式を購入すればその意義は大きいが、まだ見通しは不透明である。ブルームバーグの報道によると、ブラックロックが直接投資するか、関連する投資ビークルを通じて投資するかは不明であり、最終的に投資をしない可能性もある。

ブラックロックは、CoinDeskのコメントの求めに即座には応じていない。

ブラックロックはすでに、サークル社と密接な関係を保っている。ブラックロックは、サークル社のステーブルコイン、USDコイン(USDC)の裏付けとなる準備金の90%を保有する政府系マネーマーケットファンド「サークル・リザーブ・ファンド(Circle Reserve Fund)」を管理している。

USDCは、暗号資産取引やDeFiプロトコルで広く利用される主要なドル連動型ステーブルコインのひとつだ。

ブラックロックが投資を実行に移せば、伝統的金融がデジタル資産分野に参入するもうひとつの主要な入り口となり、USDCのようなステーブルコインを金融システム全体にさらに定着させることになる。

IPOが実現すれば、サークル社は同業界で長らく新規上場が停滞していた中で、米国で上場する数少ない暗号資産ネイティブ企業のひとつとなる。サークル社は2022年、SPAC合併を通じて上場を試みたが、その後中止された。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:JHVEPhoto / Shutterstock.com
|原文:BlackRock Mulling 10% Stake in Circle’s IPO, Joining ARK as Potential Buyer: Bloomberg