
- JPモルガンによると、28日のアメリカの現物暗号資産ETFへの資金流入は好調だった。
- JPモルガンは、現物イーサリアムETFへの純流入額を8400万ドル、現物ビットコインETFの純流入額を4億3100万ドルと推定している。
投資銀行JPモルガン(JPMorgan)は、アメリカ上場の現物暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)への純資金流入が28日に好調だったと指摘した。原資産価格の下落にもかかわらず、イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)のETFはどちらも引き続き投資家の関心を集めているという。
JPモルガンは29日に発表したレポートで、5月28日のアメリカの現物イーサリアムETFへの純資金流入は8400万ドル(約122億円、1ドル145円換算)と推定されており、イーサリアムが1.3%下落したにもかかわらず投資家の関心は堅調だったと指摘している。
JPモルガンによれば、純資金流入額のトップはブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)で5200万ドル(約75億円)、次いでフィデリティ(Fidelity)のイーサリアム・ファンド(FETH)が2600万ドルだった。グレイスケール(Grayscale)のミニ・イーサリアム・トラストとインベスコ(Invesco)・ギャラクシー(Galaxy)のQETHはそれぞれ500万ドルと200万ドルだった。
特に注目すべきは、イーサリアムETFの想定取引高が4億5900万ドル(約666億円)に達し、2024年7月の立ち上げ以来の1日平均約3億7500万ドルを大きく上回ったことだ。
一方、JPモルガンによると、現物ビットコインETFには推定4億3100万ドル(約625億円)の純流入があった。これは主にブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)によるもので、同ETFだけで4億7900万ドルの新規投資があった。
この力強い資金流入は、ARK 21シェアーズ・ビットコインETF(ARKB)での3400万ドル(約49億円)の償還と、フィデリティのFBTCでの1400万ドルの償還によって一部相殺された。
ビットコイン価格は2.1%下落したものの、ビットコインETFの総取引高は依然として高水準で、35億ドル(約5075億円)を記録した。これは、2024年1月の立ち上げ以来の1日平均28億ドルを上回っているとJPモルガンは指摘した。
ブルームバーグ(Bloomberg)が29日に報じたところによると、投資家は金からビットコインETFに移行している。アメリカのビットコインETFには過去5週間で90億ドル(約1兆3050億円)の資金流入があったのに対し、金を裏付けとするETFからは28億ドルの資金流出があった。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:U.S. Spot Crypto ETFs Saw Strong Inflows on Wednesday, JPMorgan Says