
- ドージコイン、カルダノ、ソラナは、トランプ大統領の関税措置が貿易摩擦を再燃させたことで急落した。
- 米控訴裁判所は関税の停止を一時的に取りやめ、政府が上訴する間、その効力を維持することを認めた。
- ビットコインとイーサリアムの価格は先行きの不透明感から下落した一方、失業保険申請件数の増加を受けてゴールドは急騰した。
ドージコイン(DOGE)は9%急落し、カルダノ(ADA)とソラナ(SOL)はそれぞれ6%下落した。これは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税が貿易摩擦の懸念を再燃させたためだ。
連邦巡回控訴裁判所は5月28日の下級裁判所の判決を一時的に差し止め、関税を一時的に維持する決定を下した。これにより、政府が上訴している間、関税は継続される。
トランプ大統領が「解放の日」と名付けた4月2日に発表された関税は、1977年の国際緊急経済権限法に基づいて、ほぼすべての貿易相手国に課された。
ビットコイン(BTC)は10万6000ドルを下回り、イーサリアム(ETH)は2700ドルを割り込んだ。時価総額上位の暗号資産(仮想通貨)を追跡するCoinDesk 20指数(CD20)は4%下落した。
「トランプ氏の関税が控訴裁判所によって再導入された後、ビットコインの価格は下落した。一方、アメリカのGDP統計では第1四半期の経済が縮小したことが示された」と、LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Luck)氏はテレグラムのメッセージで述べた。
「失業保険申請件数の増加と企業利益の減少を受けて、ゴールド(金)の価格は急上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを脅威と見なしているものの、投資家が変動の激しい市場で長期的な価値保有先を探る中、ビットコインは回復すると楽観視している」とルック氏は付け加えた。
市場のセンチメントは慎重な姿勢を示し、暗号資産の総時価総額は3兆4200億ドル(約495兆9000億円)で横ばいだった。
「暗号資産は、関税や企業業績と関連しており、マネーサプライとは無関係であるため、株式市場のポジティブな動きを無視する傾向がある」と、FxProのチーフ市場アナリストであるアレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏はCoinDeskへのメールで指摘した。
「ビットコインは取引レンジの上限である11ドルから下限の10万7000ドルまで後退した。この過去の最高値での調整は、市場の局所的な過熱を効果的に解消したと考えられる」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Dogecoin Dives 9%; Cardano’s ADA, SOL Slump 6% as Renewed Tariff Fears Jolt Markets